各診療科・各部門紹介

皮膚科

診療科の概要

難治性皮膚疾患で悩んでおられる患者さんの診断、治療について西神戸地域での中心的な役割を担うことを目的としています。そのために必要な各種検査(皮膚生検、皮膚アレルギー検査、画像診断、血液検査)を行うことにより正確に病状を診断し、的確な治療を行えるよう努めております。

一般外来の受付は月曜日、火曜日、木曜日、金曜日の午前8時45分~11時45分、水曜日は午前8時45分~10時30分ですが、水曜日は手術日のため予約外診療を希望される患者さんは水曜日以外で受診をお願いします。

原則として予約制ですが、水曜日以外は予約外も可能です。午後は完全予約制の特殊外来にて各種検査や小手術等を行っています。担当医師は変更することがありますので、事前に確認をお願いします。

皮膚科の水曜日の初診は紹介状が必要です

皮膚科では水曜日の午後を手術枠とさせていただき、午前中の外来患者さんは地域の医療機関からの紹介状のある患者さんのみを対象とさせていただくことにいたしました。つきましては、水曜日に皮膚科を受診される方は紹介状をご持参いただきますようお願い申し上げます。

診療科の特徴

1994年の開設以来、当院皮膚科は西神戸地域一帯の医療機関と連携をさせていただきながら難治性の皮膚疾患の診断と原因検索を行い、治療を行ってきました。近隣の診療施設からのご紹介いただきました患者さんの診断、治療を行い、症状が落ち着けば逆紹介をさせていただいています。皮膚免疫・アレルギー疾患(アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、尋常性乾癬、薬疹、アレルギー性接触性皮膚炎など)、自己免疫疾患(自己免疫性水疱症、膠原病、血管炎など)、皮膚腫瘍、創傷、感染症、皮膚付属器疾患(脱毛症、爪)など皮膚科全般にわたって診療を行っております。

診療科トピックス

手術件数が増加傾向にあり、できるだけ迅速に手術を受けて頂けるように努めております。小手術については水曜日の手術枠以外に、皮膚科処置室(特殊外来)にて対応しています。
尋常性乾癬やアトピー性皮膚炎、特発性慢性蕁麻疹に対しては生物学的製剤を使用した治療も行っており、件数が増加傾向にあります。小児のアトピー性皮膚炎や食物アレルギーの患者様については小児科と連携して症状の改善に努めております。
地域医療機関の先生方からのご紹介も増加傾向であり、投薬治療などにて症状が軽快ないし安定している患者さんについては、逆紹介をさせて頂いております。

診療内容

症例数:年間の外来患者数は述べ約19,000人、生検、手術の年間件数約870件。正確な診断とガイドラインに基づいた標準治療を重視していますが、患者さんお一人おひとりの病状・全身の状態等を考慮して総合的な治療をさせて頂きます。

 

アトピー性皮膚炎(あとぴーせいひふえん)
アトピー性皮膚炎診療ガイドラインに基づいた適切な診断・治療に努めており、今まで難治であった患者さんでもできる限り正常の皮膚を取り戻せるように一緒に方策を考えます。乳幼児を中心とした小児領域では食物アレルギーなどを合併する場合があり、必要に応じて小児科と密に連携して治療を行っています。成人の患者さんで重症の方の場合には生物学的製剤による治療を行っています。食物アレルギー、アレルギー性鼻炎や喘息などを合併している場合は、アレルゲン同定のための検査を行い、症状に応じて他の診療科と連携しています。

 

蕁麻疹(じんましん)
蕁麻疹は特定の刺激により皮疹が誘発される「刺激誘発型の蕁麻疹」と、特に原因なく皮疹が出現する「特発性蕁麻疹」とに大きく分類され、問診にてこれらを見極めた上で治療を行います。刺激誘発型の蕁麻疹では、誘発テストを行いなるべく皮疹が誘発されるような刺激を避けるように指導を行います。例えば寒冷刺激で誘発される寒冷蕁麻疹では冷たいコップを腕の上に載せて皮疹が誘発されるかどうかを検査します(寒冷誘発試験)。刺激誘発型の蕁麻疹で、特殊な検査を必要とする場合(運動誘発試験、汗皮内テスト等)では、連携施設である神戸大学医学部附属病院皮膚科外来に紹介する場合もあります。特発性蕁麻疹ではガイドラインに基づいて標準治療を行いますが、難治例においては生物学的製剤を用いた治療も行っています。

 

アレルギー性接触皮膚炎(あれるぎーせいせっしょくひふえん)・金属アレルギー

アレルギー性接触皮膚炎はいわゆる「かぶれ」です。最近では化粧品や金属アレルゲンによる顔面などのかぶれの方が増えています。当科ではパッチテスト等かぶれの原因をできる限り検索するよう努めています。また整形外科や歯科の先生方からの金属アレルギーの精査も歓迎しており、実施例数が増加傾向にあります。標準的なパッチテストは4日間の来院が必要です。月曜日か火曜日に原因となるアレルゲンを塗布したユニットを背部などに貼付し、その2日後に剥がして判定します。この2日間は入浴不可となりますので注意が必要です。3日後、7日後にも判定を行います(ファイル:パッチテストを受けられる患者さんへ)。このため水曜日~金曜日はパッチテストの開始日と出来ませんので注意が必要です。またアレルギー性蕁麻疹、食物アレルギー、アナフィラキシーの方はパッチテストではなく、プリックテストの検査が必要となります。プリックテストは1日で終了しますが、市販の花粉症薬などを含む抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬はテストの2-3日前からの中止が必要となります。薬疹では各種検査(パッチテストやプリックテスト、採血検査)を行い、再発を防ぐために薬疹カードを発行しています。詳細は担当医にお尋ねください。

表.パッチテストとプリックテストの違い

 

パッチテスト

プリックテスト

適応となる疾患

アレルギー性接触皮膚炎

薬疹

金属アレルギー 等

アレルギー性蕁麻疹

食物アレルギー

アナフィラキシー 等

アレルギー

IV型(遅発型)

I型(即時型)

判定時間

48時間、72時間

1週間、(1ヶ月)

15分

使用器具

パッチテストパネル

フィンチャンバー 等

プリックランセッター

バイファケイテッドニードル

 

尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)・乾癬性関節炎(かんせんせいかんせつえん)

尋常性乾癬は免疫が関連する慢性の皮膚疾患の一つで、分厚く肥厚した鱗屑(りんせつ)を付着した紅斑(こうはん)が特徴です。リウマチに類似した関節炎を伴うこともあり、これを乾癬性関節炎と言います。皮疹の範囲が狭く、軽症の場合は外用治療が主となりますが、重症の場合は内服薬や、注射薬(生物学的製剤)による治療が必要となる場合があり、当科では重症例まで対応しております。関節炎の症状が強い患者さんでは、免疫血液内科(月曜日・金曜日)の外来と連携して治療を行っています。

 

皮膚腫瘍(ひふしゅよう)

各種良性・悪性皮膚腫瘍の検査・手術に対応しております。当科の手術で一番件数が多いのは類表皮嚢腫(るいひょうひのうしゅ)(表皮嚢胞(ひょうひのうほう)、粉瘤(ふんりゅう)、アテローム)になります。その次に脂肪腫(しぼうしゅ)、母斑細胞母斑(ぼはんさいぼうぼはん)(ほくろ)、皮膚線維腫(ひふせんいしゅ)、石灰化上皮腫(せっかいかじょうひしゅ)などの各種良性腫瘍が多いです。現在コロナウイルス感染症の伝播状況による診療制限のため、良性皮膚腫瘍の手術に関しては外来での日帰り手術を原則とし、入院での対応を一時的に中止しています。現在皮膚科の手術枠としては水曜日の午後のみになります。

悪性腫瘍としては、前がん病変ないし上皮内がんである日光角化症やボーエン病から、基底細胞癌(きていさいぼうがん)、有棘細胞癌(ゆうきょくさいぼうがん)などの手術に対応しており、切除範囲が広い場合は入院での植皮術(しょくひじゅつ)や皮弁形成術(ひべんけいせいじゅつ)を行っています。皮膚腫瘍の診断にあたってはダーモスコピーや皮膚エコー検査、MRIなど画像検査を駆使し、病理学的診断が必要な場合に切除生検、部分生検を行います。稀少疾患である悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ)、血管肉腫(けっかんにくしゅ)等については兵庫県立がんセンターや神戸大学医学部附属病院、神戸市立医療センター中央市民病院に紹介しています。

 

皮膚感染症(ひふかんせんしょう)

細菌による感染である蜂窩織炎(ほうかしきえん)や丹毒(たんどく)、ウイルス感染症である帯状疱疹(たいじょうほうしん)については随時受け入れを行い、重症例では入院治療を行っています。皮膚の真菌(しんきん)感染症には白癬(はくせん、いわゆる水虫)があります。爪白癬(つめはくせん)で内服治療が必要な場合は、肝機能などの採血検査を行った上で実施しています。いわゆる足の水虫などで継続して治療が必要な患者さんは、地域の先生方に逆紹介をさせて頂いています。

 

自己免疫疾患(じこめんえきしっかん)

自己免疫疾患とは本来細菌などの外敵から生体を防御するために存在する白血球などの免疫機構が、ご本人自身の臓器を攻撃してしまい発症する疾患です。この分野は研究の進歩が顕著な分野でありますが、まだまだ病因については不明な点も多く、疾患の多くは国の指定難病となっています。当科では皮膚の自己免疫疾患に対応しており、重症例では入院加療を行っています。自己免疫性水疱症(天疱瘡(てんぽうそう)、類天疱瘡(るいてんぽうそう))では従来のステロイド内服による治療に加えて免疫グロブリン治療が保険適応となり、ステロイドの高用量内服による合併症の減少や、入院期間の短縮ができるようになりました。いわゆる膠原病(こうげんびょう)も自己免疫疾患の一つであり、皮膚科では皮膚に症状が出る円板状エリテマトーデス、シェーグレン症候群、皮膚筋炎、強皮症などを診察しています。内臓病変を合併している場合は免疫血液内科や呼吸器内科・腎臓内科等、内科と連携して治療を行います。

 

皮膚付属器疾患(ひふふぞくきしっかん)

皮膚に付属した爪や毛の疾患が含まれます。陥入爪(かんにゅうそう、いわゆる巻き爪)では、軟膏治療、テーピング法に加えて弾性ワイヤー(自費治療)や人工爪、フェノール法による手術的加療を行っています。円形脱毛症においては内服療法・外用療法に加えて重症例ではSADBE療法(免疫療法)や、入院でのステロイドパルス治療も行っています。毛穴の炎症である尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう、いわゆるニキビ)については小さいニキビが出来にくくなるアダパレンや過酸化ベンゾイルなどを用いて治療を行い、病状が落ち着いた段階で地域の先生に逆紹介しています。

 

化学療法(かがくりょうほう)に伴う皮膚障害

近年のがん治療領域における医学の進歩は抗PD-1抗体薬に代表されるような今までになかった機序の薬剤が使用可能となりましたが、一方でこれらの薬剤によって皮膚に副作用がでる患者さんも少なからずおられます。がん治療中の患者さんで、これらの副作用による皮膚障害に悩まれておられる方の治療を受け入れています。

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