各診療科・各部門紹介

放射線技術部

一般撮影部門

検査の概要と目的

一般撮影部門では、胸部・腹部や全身の骨、乳房、歯科などのX線撮影写真(レントゲン写真)を撮影しています。平成16年9月より一般撮影部門はCR撮影(Computed Radiography)による、すべてデジタル写真となりました。平成21年4月よりPACS(放射線医用画像情報システム)が本格稼働し、モニターで診療、診断を行っています。

平成25年4月より、全室に最新型フルデジタルX線装置を導入しました。この装置は旧CR装置に比べ、より高画質で、フルオートマティックシステムにより検査時間の大幅な短縮が可能となりました。
平成28年1月より、乳房撮影(マンモグラフィ)の装置を新しく更新しました。以前より高画質で低被ばく撮影が可能になりました。さらに最新の撮影機能「トモシンセシス」が搭載されています。

デジタル写真でどうなるのか?
写真画質の向上と被ばく線量の軽減ができました。当院では約40%撮影線量を下げることができました。また画像の表示方法を変えることにより、1回の撮影で複数の情報を得ることが可能です。

撮影室別撮影内容
【 Room1 】 全身骨、小児胸部、全脊椎、下肢全長、胸部、腹部、歯科用パノラマ
【 Room2 】 全身骨、小児胸部、全脊椎、下肢全長、胸部、腹部、乳房
【 Room3 】 胸部・腹部立位専用(上肢の骨撮影も可能)

※ 撮影室によって撮影内容が異なりますので待ち時間がかかることがあります。
※ 乳房撮影(マンモグラフィ)は資格をもった認定技師が担当、指導し、できるだけ女性技師が撮影しています。

 
【 病室 】 床上安静が必要な患者さんにはポータブル(出張)撮影も行っています。現在6台稼動しており、カセッテ型フラットパネルシステムにより病室での写真確認ができます。また、バッテリー式のため、停電時及び災害時の緊急時においても撮影可能です。
【 手術室 】 専用透視撮影装置が現在4台稼働しています。
【 救急撮影室 】 救急患者さんの撮影を行う専用の撮影装置があります。

Room 1、2

【装置名】
Ysio(SIEMENS社製)

【特徴】
フラットパネルシステムを採用して高画質の画像を提供します。装置が全てコンピュータ制御されており、安全で効率の良い検査が行えます。


                 【Room1】

【Room2】
【 乳房撮影装置 】

                
歯科用パノラマ・断層撮影装置】    【コーンビームCT画像】      【セファロ画像

令和3年3月に一般撮影室のパノラマ撮影装置が更新されました。更新したことにより、従来のパノラマ断層撮影・顎関節撮影に加え、新たにコーンビームCT撮影・セファロ撮影(頭部X線規格撮影)が出来るようになりました。
コーンビームCT撮影では、3次元画像が表示でき、高解像度な画像を取得することができます。
セファロ撮影は一定の規格で撮影するので、治療前後の比較や成長の過程が確認できます。

Room3

【装置名】
RAD Speed Pro(島津社製)
CALNEO U(FUJIFILM社製)
【特徴】
最新のフラットパネルシステムを採用して高画質の画像を提供します。胸腹部撮影はもちろんの事、混雑時は骨撮影も可能なシステムです。
【 Room3 】

その他

【装置名】
 CALNEO C+flex(FUJIFILM社製)
【特徴】 
カセッテ型フラットパネルシステムで、病室撮影にも高画質な画像を提供しま す。バッテリー式なので停電時及び災害時の緊急時においても撮影可能です。
【 カセッテ型フラットパネルシステム 】

平成31年3月より救急外来撮影室にも最新のカセッテ型フラットパネルシステムを導入しました。連続で撮影が可能な上、撮影後すぐに画像を確認できるため、スループットの向上が図れ、患者サービスにもつながっています。

X線撮影をされる方へ

X線撮影を撮るときは、診断に支障をきたす障害陰影の写しこみを防ぐため必要に応じて着替えをしていただきます。たとえば胸部を撮るときには上半身、腹部・腰椎のときは上半身と下半身にボタン、ファスナー、飾り等のある衣服、下着(ブラジャー)は脱いで検査着に着替えてください。
そのほか撮影するところに入れ歯、カイロ、湿布、指輪、ピアスやネックレス等があればはずしてください。

被ばく量について

一般撮影のような診断領域の撮影では放射線の被ばくによる影響はほとんどありません。
ただし、妊娠中またはその可能性のある方は担当技師にお申し出ください。

当院では出来るだけ被ばく線量を減らすよう努力していますので安心して検査を受けていただけます。
※ご不明な点はお気軽に担当技師にお尋ねください。

乳房撮影(マンモグラフィ)

乳がんを見つけるための専用装置を使ったX線撮影をマンモグラフィといいます。丸い乳房を平らに広げて(圧迫して)撮影を行いますので、少し痛みを伴う場合もある検査です。なるべく薄く延ばしたほうがボケや重なりが少なくなりより鮮明な画像が得られ、被ばく量も少なくなりますので、少しの間がまんして協力してください。

当院では、精度管理中央委員会の認定を受けた技師がいますので安心して検査を受けていただけます。

撮影について

乳がん検診では左右それぞれ横からの1方向(MLO)だけ撮影します。 精密検査では左右それぞれ横から(MLO)と上から(CC)の2方向を撮影します。

【 MLO 】 …腋の下から乳房の下まで写しこみます。
【 CC 】  …胸壁から乳房全体を写します。必要があれば拡大スポット撮影を追加撮影します。

 

CC:(頭尾方向)
撮影
MLO:(内外斜方向)
撮影
 
実際の写真:CC
実際の写真:MLO
 

トモシンセシスについて

「トモシンセシス」とは、X線管球を扇状に回転させ多方向からX線を照射し、再構成により1mm厚の断層画像を得る乳房撮影の新しい技術です。この技術により、従来の撮影では判別が難しかった領域をより明確に確認することができます。当院の装置では、1回の圧迫で従来の撮影と「トモシンセシス」の連続撮影が可能となっています。

被ばく量について

乳房撮影は軟線撮影といって骨のX線撮影に比べてX線が体を通り抜けるより組織に吸収される量が多いので被ばく線量の上限(3mSv)が規制されています。放射線は基本的に厚さに比例して被ばく量が増加しますので、出来るだけ圧迫して薄く広げた方が被ばく量を減らすことが出来ます。
さらに、当院ではFPD撮影により従来の約50~60%程度の被ばく量に抑えています。従来の撮影でも、東京~ニューヨークまで飛行機に乗ったときに受ける自然放射線による被ばく量の約2分の1に相当します。

【豆知識】
高地や上空では地上より自然放射線による被ばくは多くなります。 地上では1年あたり2.4mSvといわれています。

心配な方へ

「生理の周期に関係ないしこりがある、または痛む黄色または血の混ざった分泌物がある、陥没乳頭左右差や引きつれがある。」このような症状のある方は精密検査を受けられることをお勧めします。当院では乳がんの診断、治療は乳腺外科が担当科になっています。

撮影実績
 

2020年度

(令和2年度)

2021年度

(令和3年度)

 一般撮影(人) 42,482 43,170
特殊撮影 (人) 1,387 1,749
 乳房撮影 (人) 981 1,114
 病棟撮影 (人) 11,592 11,994
手術室撮影 (人) 1,954 1,942
 
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