各診療科・各部門紹介

放射線技術部

血管造影検査(手術)部門

検査の概要と目的

「血管造影検査(手術)」とは、血管(動脈、静脈)内にとても細い管(カテーテル)を挿入し、造影剤という薬剤を注入しながらX線撮影を行い、以下のような病気に対しての診断や治療を目的とします。

血管性病変

動脈瘤、脳梗塞、心筋梗塞、動脈や静脈の狭窄、消化管などからの出血等

腫瘍性病変

脳腫瘍、肝細胞癌、その他臓器の腫瘍や癌等
最近では医療技術の進歩により、動脈や静脈が狭窄、閉塞した場合に風船のついたカテーテルで血管を内部から膨らませたり(血管拡張術)、頭の動脈にできたこぶが血流によって破裂しないようにこぶの中に詰め物をしたり(脳血管内手術)、腫瘍が栄養としている血管に抗癌剤などの薬を流し、スポンジの様な物やコイルで栄養血管に栓をして兵糧攻めにする(血管塞栓術)などの、治療を目的とした血管撮影が大半を占めています。これをインターベンショナルアンギオグラフィーと言います。詳しくは各検査室の説明に紹介しています。

検査室の流れや注意点

検査(手術)時間は1〜3時間程度かかります。検査室に入ると沢山のスタッフ(医師、診療放射線技師、看護師など)がいて、チームを組んで行います。検査台に寝ると心電図を貼ったり、脈拍を測ったりなど準備をします。穿刺(血管に針で穴をあける)場所を消毒して、清潔な布をかけるといよいよ開始です。

まず穿刺する場所に麻酔の注射をします。ほとんどの検査は太ももの付け根(ソ径部)よりアプローチします。痛みを伴うのは麻酔時のみですので、あとは太ももの付け根を触っていることしかわかりません。カテーテルを目的血管まで進め、薬(造影剤)を流しながら血管の撮影をします。造影剤を流すと体が熱くなるような感じがすると思いますが、数十秒後には治まりますので心配いりません。ただし、副作用がまったくないわけではありません。まれに吐き気や発疹等が起こることがあります。

部位によっては息を止めて撮影をします。何度か撮影をしますが、撮影中に動いたり、息がしっかり止まってないときれいな写真がとれないので、患者さんの協力が不可欠です。<目的>でもふれましたが、診断のための撮影終了後に、そのまま治療を行っていくことがあります。『動かない』というのは意識すると大変なことですが、少しなら動いてもいい場合があるので我慢できなくなったり、変わったことがあれば何でもスタッフに伝えてくだされば対処します。 検査(手術)終了後は太ももの付け根に入ったチューブを抜いて10~20分押さえながら止血をします。検査内容により変わりますが、3~5時間程度は安静が必要です。歩ける様になるのは次の日になります。

検査により、太ももの付け根ではなく、手首や肘の血管よりアプローチすることもあります。太ももの付け根に比べて安静の時間が短くなるなど、患者さんへの負担が軽くなるという利点もありますが、検査(手術)の種類が限られているという欠点もあります。

血管造影室(血管造影室1)

当院の血管造影室は3階に2部屋あります。(※ 血管造影室1は頭、胸、腹、四肢の検査や手術を行い、放射線診断科、脳神経外科、循環器内科が対応しています。)

▲SIEMENS社製 AXIOM Artis QBA▲
(2018年2月〜)

上記の装置が2018年2月末から稼動し始めました。以前の装置と大きく違う点として、X線撮影が正面と側面から同時に撮影可能な、バイプレーンと呼ばれる型式に変更されたことです。またX線検出器は正面、側面ともに大視野長方形タイプのフラットパネルディテクターを搭載しています。最新式のフラットパネルディテクターが更なる高画質と低被ばくを両立し、バイプレーン型式が造影剤量の減量を可能にしました。

もう一つの特徴として、CアームによるコーンビームCTが撮影可能になったことです。CT様の画像を得られることから、術中確認や術後確認を患者さんの移動なしに行うことができます。これらに加え、高度なIVR手技を支援するための先進機能やアプリケーションも搭載されており、術者や患者さんにより安全で優しい検査、治療環境を提供できる装置となっています。

 

この装置のトータルコンセプトは

  1. 使い易さ(Ease of use)
  2. 優れた画質(Image Quality)
  3. 最大限の被曝低減(Care)
  4. 最適なネットワークへの接続性(Connectivity)

    の4つで、患者さんだけでなく医療スタッフへの負担を軽減しながら、頭から足先までの全身の検査を行うことが可能になりました。今まで使用してきた装置と大きく異なる点は、1回の撮影で血管の三次元像(3D)を見ることが可能なので、複雑な走行をしている血管を立体的に把握して診断や治療に役立てることができます。

頭部血管撮影画像(動脈瘤有り)

血管の太い部分に塊(動脈瘤)が写っている写真
【 正面画像 】
【 側面画像 】
 

この2つの画像では、動脈瘤が分かりにくいのですが3Dを撮影することにより、さまざまな角度から見ることができ、診断・治療に役立てることができます。

3Dで投影された血管の太い部分にこぶ(動脈瘤)が写っている写真
【 動脈瘤 】
 
 
  1. 【 頭・頚部 】
    動脈瘤、動静脈奇形→ コイルなどによる塞栓術
    脳腫瘍→ 開頭手術前のコイルなどによる塞栓術
    脳、頚動脈狭窄(閉塞)症→ バルーンやステントによる血管拡張術血栓溶解剤による血栓溶解術
  2. 【 胸・腹部 】
    腫瘍(肝細胞癌等)、喀血などの出血→ コイルなどによる塞栓術
    肺癌→ 開胸手術前のコイルなどによる塞栓術
    腎血管性高血圧症などによる動脈狭窄→ バルーンやステントによる血管拡張術
  3. 【 四肢 】
    動脈硬化塞栓症・透析シャント閉塞→ バルーンやステントによる血管拡張術血栓溶解剤による血栓溶解術
    深部静脈血栓症→ IVC(下大静脈)Filter留置血栓溶解剤による血栓溶解術

検査・治療件数

 

検査・治療件数一覧表
 

2017年度
(平成29年度)

2018年度
(平成30年度)

2019年度
(令和元年度)

血管塞栓術 112 101 112
経皮的頚動脈
ステント留置術
13 10 11
脳血管内手術・脳血栓回収療法 等 36 32 35
シャント
血栓除去術
8 7 7
CVポート・PICC留置 164 245 234
EVT 53 63 43
 

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心臓血管造影室(血管造影室2)

※ 血管造影室2は主に心臓の血管(冠動脈)の検査・手術を行っており、循環器内科が対応していて、2006年11月より下記の装置が稼働しています。

血管を造影する機器の写真。ベッドがあり血管を映し出す液晶がたくさんある。
▲SIEMENS社製 AXIOM Artis dBC▲
(2006年11月~)

この装置の特徴は、フラットパネルディテクタと呼ばれる最新のX線検出器を使用しているところです。この検出器を用いることにより、以前使用していた装置に比べ、患者さんの受ける被曝線量を少なくしつつ、より高画質な画像を提供できるようになりました。

また装置の稼働に併せて、心臓カテーテル検査用の心電図装置を血管造影室1、血管造影室2にそれぞれ1台ずつ配置しました。これにより、どちらの血管造影室でも心臓カテーテル検査が行なえるようになりました。 さらに、血管造影検査(手術)部門で撮影された動画を管理するサーバーが設置されました。このサーバーから院内に向けて撮影動画の配信を行なっていますので、検査後、病棟や説明室等で動画を見ながら医師の説明をお聞きいただけます。

検査の流れ

  1. 検査用のベッドに横になっていただきます。ここで心電図の電極を付けます。
  2. カテーテルを挿入する所を消毒します。
  3. 動脈血管を確保してカテーテルを進めます。
  4. 左右の冠状動脈を撮影します。
  5. カテーテルを変えて、左心室の撮影をします。多めの造影剤が入りますので熱く感じますが、すぐに治まります。
  6. 動脈を確保したところを止血して終了です。

以上のような流れで検査が進み、約1時間で終了します。

カテーテル治療(PCI)

検査の結果、冠動脈が狭くなっていたり(狭窄)、つまっていたり(閉塞)すれば、カテーテル治療(PCI)を行うことがあります。当院で行なっている主なカテーテル治療には以下のような手技があります。

  • 【 POBA 】 
    • → 狭くなった血管を風船の付いたカテーテルで広げる治療法
  • 【 血栓除去術 】
    • → 血管につまっている血栓を吸引する治療法
  • 【 ステント留置 】
    • → ステントと呼ばれる金属の管を留置して、血管を内側から裏打ちする治療法
血管の太い部分から枝分かれしている部分でつまっている写真
【治療前】
(矢印の先がつまっています)
【治療後】
(ステントにより血流が再開しました)

検査・治療件数

 

 

  2017年度
(平成29年度)
2018年度
(平成30年度)
2019年度
(令和元年度)
総患者数 661 587 616
緊急検査数 135 123 147
PCI人数 276 240 263
脳神経外科検査・治療 157 178 180

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