各診療科・各部門紹介

呼吸器外科

診療内容

平成28年の呼吸器外科全身麻酔手術件数は258例で主な疾患は原発性肺癌92例、転移性肺腫瘍28例、縦隔腫瘍16例、感染症17例、気胸61例でした。手術の9割が完全胸腔鏡手術です。 主な疾患別治療方針や成績について簡単に記します

  1. 肺癌;平成28年には92例の肺癌手術を行いました。治療方針は患者さんの意向を第1に、組織型・病期を考慮し、呼吸器内科、放射線科と連携して適切な治療をお勧めするようにしています。手術は、患者さんの負担が少なく回復の早い完全胸腔鏡下手術を大多数の症例で行っています。I、II期症例には完全胸腔鏡下手術を行います。III期症例では術前化学放射線治療後の手術を行うことも多くなっています。治療が手術のみの場合、入院期間は10~14日程度です。非小細胞肺癌病期別術後5年生存率はI A期83%、I B期70%、II A期55%、II B期56%、III A期37%、III B期14%、IV 期44%で呼吸器外科認定施設として期待される成績を十分クリアできています。また、当科の特徴としては以下が挙げられます。
    1. 早期癌であれば、積極的縮小手術として胸腔鏡下区域切除も行っています。区域を特定しにくい場合には術前に該当する気管支に色素を注入して区域を同定する方法(valmap)を施行しています。この方法によりより正確に手術が行えるようになり、術後の肺機能低下も軽減しています。
    2. 進行肺癌に対しては呼吸器内科・放射線科と協力して術前化学放射線照射を施行しており、良好な成績を得ています。
    3. 現在は80歳以上のご高齢の方の手術も多くなってきています。ご高齢の方にも手術は十分に安心して受けていただける治療となっていますので、ご本人のご希望があれば十分な術前検査を行い、手術をお勧めしています。
  2. 縦隔腫瘍に対しても胸腔鏡手術を第1選択としています。以前は胸骨縦切開を行っていた縦隔腫瘍症例に対しても胸腔鏡下に切除を行っており、患者さんの負担はより軽減されています。
  3. 転移性肺腫瘍に対する複数回手術も増加しており、当科も適応がある場合には積極的に再手術を行っています。
  4. 自然気胸は、緊急例では、なるべく速やかに入院、治療が行えるよう救急病棟のベッドを活用しております。近隣病院からの相談に対しても、転院含め随時対応しています。再発例、薄壁ブラの存在、空気漏れ持続例を手術対象とし、ほぼ全例で胸腔鏡下手術を行っています。ブラ切除の他、再発予防目的で胸膜被覆術を併せ施行することで再発率の低下を見ています。若年者の気胸手術の入院期間は術後3日程度です。美容上の観点、および身体的に低負担となるようドレーン部以外の抜糸は不要にしています。
  5. 膿胸・結核・非結核性抗酸菌症・アスペルギルス症等の感染症手術を年間10-20例程度行っています。呼吸器内科での薬物治療は必須であり呼吸器内科と緊密に連携し手術を行っています。
  6. 胸部外傷は当院が地域の救急医療も担っていることから積極的に対処したいと考えています。多発肋骨骨折、外傷性血胸、気胸、肺挫傷などが入院治療の対象になりますが、大多数は胸腔ドレナージ、保存的治療で軽快しています。
  7. 他に多汗症の胸腔鏡下手術や気管・気管支狭窄症例のレーザー、アルゴンプラズマ焼灼術やステント挿入術も行っており、呼吸困難などの自覚症状の改善を図っています。

患者さんへ
呼吸器外科手術臨床データ利用のお願いこちら(PDFファイル)をご覧ください。

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