副院長・産婦人科部長 竹内 康人
モンゴルは、私達日本人にとって、大相撲の朝青龍や白鵬の出身地で、アジアでは馴染みの深い国の一つです。
保健政策・実施において非常に優秀な国で、施設や薬剤等のハード面における改善が進み、制度や人材 といったソフト面における質の向上が必要な次の段階に位置しているそうです。医療現場においては、チーム医療が芽生えてきており、異なる職種の人が一緒に研修を受けることにより、チームとしての人材育成を行うことの必要性が高まっているとの判断で、国際協力機構JICA主催で、3年間の研修が組まれました。
1月22日から5週間のスケジュールで、母子保健センター、マタニティー病院といった3次保健医療施設5ケ所から、医師・助産師が各1人参加。
当院には、2月7日に3施設の6人、14日に2施設の4人が、国際看護交流協会INFJのスタッフの引率で来院されました。
まずは、竹内康人産婦人科部長によるオリエンテーションの後、手術室やICUの視察。実際の帝王切開術(川北、小菊医師)に経ち合い。次に、産婦人科外来に移動して、酒井医師による妊婦健診の見学、鈴木美絵助産師(JICAから、ラオスへの派遣経験あり)の案内で、助産師による母乳相談や妊婦相談の見学。
昼食を挟んで、ハイリスク妊婦さんに対する超音波外来(西尾・小菊医師)を見学した後、病棟に移動。陣痛室、分娩室、新生児室を見てまわって頂いた後、竹内部長、鈴木助産師との質疑応答の時間を設け、情報交換を行いました。
早朝から夕方までのハードなスケジュールにもかかわらず、熱心にメモをとり、写真撮影を行われ、精力的な研修をされていました。
当院周産期センターは、国内からの見学・研修は、今まで、多数受け入れてきましたが、海外からの研修受け入れ要請は初めての体験であり、躊躇しました。しかし、神戸西地域も国際化しており、外国人の妊婦さんがしばしば分娩されていますし、当院では、JICAから海外に派遣された助産師は過去に3人いますのでお引き受けしました。
当院にとってもいい経験となりましたが、研修に来られた医師・助産師の皆さんからは、チームでしっかりとしたリスクマネージメントを行いつつ、心暖かい医療を提供されているのがよく分かったとお誉めの言葉が寄せられました。