認定看護師からの メッセージ
皮膚・排泄ケア
櫻井 三希子、佐藤 琴美
皮膚・排泄ケア認定看護師は、創傷、ストーマ(人工肛門、人工膀胱)、失禁に対する専門的なケアを提供し、より良い生活を送ることができるように支援してます。
創傷ケアでは、褥瘡などに対して治癒環境を整える看護ケアを提供しています。褥瘡が発生した患者さんには、早期治療、悪化防止を目的として、局所処置や体圧分散ケア、栄養状態の評価を行っています。
ストーマケアでは、人工肛門、人工膀胱や様々な瘻孔を保有する患者さんに対して、生活の質を向上させるお手伝いをします。西神戸医療センターでは「ストーマ外来」を開設しており、当院でストーマを造設された患者さんには、専門外来での継続ケアを行っています。他院でストーマ造設された患者さんも受診できますので、お困りの方はご相談ください。
失禁ケアは、失禁のコントロールや、失禁に伴うスキントラブル、臭い、生活制限などの問題に対処することで、生活の改善をめざします。
集中ケア
藤岡 明子
集中ケアの領域は、急性かつ重篤で生命の危機状態にある患者さん(家族を含む)を対象としています。集中治療室におられる方だけではなく、慢性期や回復期、終末期など一般病棟であっても、原疾患の急性増悪、急変、重症患者さんの離床など重症度の高い患者さんを対象とするケースは多くなっています。重篤な状況にある患者さんの日常生活援助を的確に行い、障害が最小限になるよう、また早期回復が図れるような援助、個を尊重し倫理性に基づく援助を考え実践しています。
重篤な患者さんの観察やケアなど、実践を行ううえでの根拠についての教育、指導を行ったり、相談にのったりして、病棟スタッフと一緒に考えながら看護を提供するよう心がけています。また、患者さんの回復を支援する役割を発揮すると共に、看護がどんなにすばらしいものかを、1人でも多くの看護者に理解してもらいたいと思いながら、活動しています。
感染管理
中島 佳代、新井 まゆ子
当院には2名の感染管理認定看護師が在籍しており、感染防止対策室専従として、当院における感染対策の中心となり、効果的な感染対策を推進していく役割を担っています。
主な活動としては、他職種と連携しながら病院内の環境ラウンドを実施し、各部署のスタッフが実践可能な感染対策の提案や啓発を行っています。また、サーベイランス活動の継続により医療関連感染率の低減が出来るように努力しています。
また、新型コロナウイルス感染症をはじめとしてインフルエンザ・麻疹などの流行期に感染が拡大しないように、対策・支援をするなど多岐にわたります。
これらの活動を通して、西神戸医療センターに関わる全ての患者さんの安全な療養環境および医療従事者の安全な職場環境を提供できることを目指して活動しています。
救急看護
瀧澤 紘輝、草木 理恵、寺本 沙織
救急看護分野は救急医療を必要とする小児から高齢者、妊産婦に対し、その発達段階を踏まえて迅速かつ的確なフィジカルアセスメント実施することで、患者さんの変化にいち早く気づき対応することが求められます。
主な活動として救急外来における看護実践、来院した患者さんの緊急度を判断する院内トリアージが挙げられます。また、災害が起きた際に地域の中核病院として役割を果たすことが出来るように、平時から取り組んでいこうと思っています。
少子高齢化を迎え、救急医療の在り方も変化してくる時期にさしかかっています。時代に合った救急看護とは何かを常に考えて活動したいと考えています。
新生児集中ケア
井上 深雪
日本の出生率は減少していますが早産やハイリスク新生児は増加傾向にあります。出生直後の急性期にある早産児や疾患を持った新生児は、非常に全身状態が不安定であり、急激に変化します。新生児の分野ではその出生直後の急激な変化を予測しながら体外環境に適応できるようにケアを行うことが求められています。
新生児一人一人の細かなサインを見逃さず、快適な環境である母体内に近づけられるように環境を整え、個別にケアを行えるよう医療チームで取り組んでいます。
また、出生直後から母子分離を余儀なくされた母親の思いに寄り添い、両親が新生児と良好な親子関係が構築できるようにサポートしています。
緩和ケア
中村 真理
がんや命を脅かす疾患の治療や療養において様々な苦痛が生じます。緩和ケアとは、痛みなどの身体的な苦痛症状や病気を抱える中での心理的、社会的、スピリチュアルな問題に対して、それらの苦痛を和らげ、患者さんやご家族の生活の質の向上をめざすものです。医師、看護師、薬剤師などと力をあわせて、患者さんやご家族の思いに寄り添い、患者さんやご家族にとってその人らしい日々を過ごすことができるよう、共に考え歩んでいきたいと考えています。
手術看護
村崎 和世
医療の高度化と少子高齢化に伴うハイリスク患者の増加により、手術看護にも高い専門性が求められるようになりました。手術室看護師は、手術を受けられる患者さんの二次的合併症を予防し、早期に社会復帰できるよう支援することと、手術を決意されたご本人とご家族の思いに寄り添い、安心できる温もりのある看護を提供できるよう努めています。
その中で、一人でも多くの手術室看護師がチーム医療に貢献でき、活き活きとやりがいを感じながら看護ができるよう手術看護認定看護師として活動しています。具体的には①最新の知識や情報を提供し、看護実践に活かせる具体的な方法を一緒に考える機会を持つこと②安全管理における指導的、調整的役割を担うこと③継続看護を図るための他部署との連携などが挙げられます。
安全な医療を求める患者さんの声や社会の変化に応えられるよう、より良い手術環境の提供と周手術期看護の充実を目指し日々活動していきたいと思っています。
脳卒中リハビリテーション看護
大森 妙子
日本の3大死因の1つと言われた脳卒中も、2011年に肺炎に抜かれ第4位になりました。しかし、脳卒中は死亡を免れても後遺症が残る場合が多く、介護が必要となる原因疾患の第1位は未だに脳卒中です。
当院は発症直後の急性期の患者さんが多いため、慎重に経過を観察する必要はありますが、寝かせきりで筋力などを低下させて介護度を更に上げないように、できるだけ早期からリハビリテーションを開始する必要があります。医師、看護師、リハビリスタッフと力を合わせながら、患者さんが日常生活行動を再獲得できるように支援しています。
患者さんの持っている力を最大限に引き出せるような看護を提供していくことを目標に活動しています。
がん化学療法看護
高木 美希
私は、長くがん化学療法を受ける患者さんに関わってきた中で、スタッフも患者さんも安全に安心してがん化学療法を受けられるようにしたいと思い認定看護師になりました。
現在は、外来化学療法センターに勤務しながら、日々がん化学療法を受ける患者さんに関わっています。
昨年、当院の外来化学療法件数は7130件、外来化学療法初回導入は約116件となりました。化学療法センターでは、複雑化する化学療法メニューに対して、安全・確実な投与管理ができるよう、スタッフと共に日々奮闘しています。
通院で化学療法を受ける患者さんが増え、病棟、外来、化学療法センターの連携が重要となっています。昨年度より、歯科医・歯科衛生士と連携し、口腔ケアの充実を目指した取り組みを開始しました。今年度は、皮膚障害ケアに対して重点的に取り組みます。
認知症看護
宮内 遥子
認知症になると「何もわからなくなる、できなくなる」という先入観をもたれる場合が多くあります。しかし、認知症の症状や程度もさまざまで、認知症の方それぞれに残された力が存在します。
認知症看護認定看護師の役割は、認知症の方の意思や価値観を尊重し、残された力が維持できるよう支援することだと考えています。
さらに、認知症をもつ方が身体疾患を合併すると、身体的な不調により認知症の症状も悪化することがあります。特に、入院すると疾患による影響だけでなく環境の変化も加わり、せん妄を発症したり、身体・認知機能が低下したりすることは少なくありません。疾患や入院による影響を最小限にし、認知症をもつ方がその人らしくこれまでと同様の生活を送れるよう支援していきたいと考えております。