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PUBLIC RELATIONS広報

にしこうべ vol.14 2017年03月
検査、手術、療養から退院支援まで患者さんに寄り添った室の高い看護を提供

看護師の力がチーム医療の要に

西神戸医療センターの看護部は、「患者さんを尊重し、信頼される看護を提供します」を理念に揚げ、常に患者さんやご家族のことを最優先に考えた看護判断と実践を重視した取り組みを行っています。また、チーム医療の一員として役割を果たせるよう、職種や部門の垣根を超えた教育研修にも力を入れており、新人ナースからリーダーや管理職を担うベテラン看護師まで、スキルアップに努めています。

(お話は、看護部の前田看護師長、岡山主任看護師、安達看護師、習田看護師)

チーム医療にも「ありがとうメッセージ」を活用

患者さんからのご提言を、職員教育にも役立てているそうですね。

前田:各病棟に、患者さんやご家族からのご意見を投書していただく専用ボックスを設置し、週1回くらいの頻度で回収して、各部門にフィードバックしています。看護部には、手術を終えられた患者さんや退院された方、そのご家族の皆さんから「ありがとうメッセージ」がたくさん届きます。コピーしたものを休憩室に掲示するのですが、肉筆のメッセージは口頭で聞くよりリアリティを持って心に響くようです。ときには厳しいご意見も頂戴しますが、「どんなことを気にされるのか」「ここは、まだ改善の余地がある」といった気づきがあり、患者さん目線の看護を考える機会になっています。

習田:手術室では、「ありがとうメッセージ」の仕組みを職員間のコミュニケーションにも生かしています。看護師から医師に「いつも安全チェックのために手を止めてくださって、ありがとうございます」とお礼を書いたり、医師のほうが「勤務外のオペについてくれたおかげで、無事に退院できました」と労ったり。メッセージをもらった人はモチベーションアップにつながりますし、手術室全体の人間関係を円滑にする効果もあると思います。
また、患者さんの一番近くに寄り添っている看護師が、医師、臨床工学技士、放射線技師らに患者さん目線から発言できるよう心がけ、新人ナースにも指導しています。麻酔下で言葉によるコミュニケーションがとれなくなった患者さんのために、いかにして声なき声を拾って代弁していくのかが重要。体位ひとつでも、術後の褥瘡によるQOL(生活の質)の低下を考えて提案できるといいですね。先輩ナースがバラバラの指示を与えて若手を混乱させないよう、教育担当者全体での情報共有にも力を入れています。

医学の進歩で看護のあり方にも変化が……

診療科によって、看護師に求められるスキルや素養に違いはありますか?

岡山:婦人科、免疫血液内科、精神神経科のある8階東病棟には、化学療法や手術など身体に侵襲が大きい治療を受ける方が多くおられます。そんな患者さんやご家族の不安を払拭し、ときには終末期に向かう気持ちに寄り添っていくのが、私たち看護師の務めです。
スキルアップのため、がん化学療法認定看護師の資格を取得したスタッフの知識を共有する勉強会を開いたり、院外のセミナーで新しい薬剤について学んだり。知識を得ただけで満足するのではなく、実践の場で使うことで、患者さんのために生かしていくようにすることが大事ですね。

安達:5階西病棟は、循環器内科、泌尿器科、腎臓内科の混合病棟です。急性期の患者さんもおられますが、医療技術の進歩によって侵襲の小さい手術が増えてきました。とはいえ、「ロボット手術って何ですか?」など、最新の医療だからこそ不安や疑問を感じる方も多いので、手術パスに添った説明はもちろん、ICU(集中治療室)や手術室で起こりうることまでしっかりお伝えできるよう、知識をアップデートしています。

研修や教育は、どのように実践に活かされているのでしょうか?

岡山:ターミナルケアの研修で、病気と闘う患者さんの気持ちを落ち込ませないよう配慮しながら、最期に向かう準備についてお話しするコツを学びました。ここ数年、地域医療課との連携により自宅に戻っていただけるケースが増えてきたので、退院後の生活を思い描くお手伝いをしながらケアにあたっています。

前田:「リフレクション研修」により、他人の言葉を介して自分の行動を考え直すやり方が、浸透してきました。とくに新人ナースは、カンファレンスや一日の振り返りのときに、「その時の患者さんの表情は?」など、先輩やリーダーが質問を投げることで、自分が見聞きした情報を整理できるようになり、別の看護師から引き継いだ情報と合わせて患者さんを深く理解できるようになってきたようです。

職種や部門の垣根を越えた学びができる

西神戸医療センターの教育システムの素晴らしい点を教えてください。

安達:院内には、看護部の教育部門が主催する研修以外にも、医療安全や感染防止、モチベーション、接遇……など数多くの研修会があり、実践で生まれた疑問をすぐに解消できることです。専門書などで調べてもわからなかった部分まで理解できます。

前田:職種間の垣根が低く、チーム活動が活発であることは、当院の誇り。わからないことがあったとき、他科の医師や薬剤師など他の職種の方々にでも、気軽に質問できる雰囲気があると思います。また看護部内にも4分野5名の専門看護師と10分野14名の認定看護師がおり(2017年2月現在)、組織横断的に活動しています。
これからも、さまざまな職種の調整役として、また患者さんにもっとも近い存在として、チーム医療の中心的役割を果たしていきたいと思います。

ありがとうございました。

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