当院は、令和4年4月より、厚生労働省から「DPC特定病院群」の指定を受けました。
DPC対象病院は、機能や役割に応じて、以下に分類されます。
DPC特定病院群は、大学病院本院に準じた診療機能を提供する病院として、以下の4項目の診療実績の評価により、指定を受けるものです。
大学病院本院群
旧Ⅰ群
大学病院本院
全国:82病院
兵庫:2病院
DPC特定病院群
旧Ⅱ群
大学病院本院に準じた
診療機能を有する病院
全国:178病院
兵庫:10病院
DPC標準病院群
旧Ⅲ群
その他の
急性期病院
全国:1,526病院
兵庫:74病院
引き続き、当院は神戸西地域の中核病院として、地域の医療機関と連携を図りながら救急医療、高度医療の提供に努めてまいります。急性期・高度医療という当院の機能、役割を適切に果たすため、患者さんにおかれましては、当院を受診していただく際は、『かかりつけ医』からの「紹介状」をお持ちいただくとともに、当院での治療が終了した患者さんは、必要に応じて地域の医療機関へご紹介いたします。地域完結型医療の趣旨にご理解とご協力をお願いいたします。
当院では、DPCデータから全国統一の定義と形式に基づいた指標を作成し、市民の皆さんに情報公開を進めています。この病院指標によって、市民の皆さんに当院の特徴や、急性期医療の現状を理解していただくことを目的として公開しています。
平成15年より日本独自で導入された急性期の入院医療を対象とした診療報酬の包括評価制度のことです。
病院の機能や診療の状況などについて、様々な指標を用いて具体的な数値として示したものです。
集計期間 | 令和6年6月1日~令和7年5月31日 |
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対象者 |
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患者数 | 10未満の数値の場合は、‐(ハイフン)としています。 |
在院日数(自院) | 初回の入院開始日から最終的な退院日までの日数 (同一疾患の7日以内の再入院は、最初の入院日から最終的な退院日までを入院期間として集計) |
年齢 | 最初の入院開始時点としています。 |
病院指標
医療の質指標
退院患者数を10歳刻みの年齢階級別に集計しています。年齢は入院した時点での年齢で集計しています。
90歳以上は、一つの階級として設定しています。
各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢について集計しています。各項目に関しては以下のとおりです。
5大癌と呼ばれる胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌の患者数を初発のUICC病期分類別、および再発に分けて集計しています。
成人の市中肺炎の患者数を重症度別に集計しました。重症度分類は、A-DROPスコアを用い、軽症~超重症の4段階で分類しています(下記参照)。この指標では細菌による肺炎を集計しており、インフルエンザウイルスなどのウイルスによる肺炎や食べ物の誤嚥による肺炎、気管支炎などは集計対象外となっています。また、成人の肺炎の指標なので、小児肺炎も集計対象外となります。
Age(年齢) | 男性70歳以上、 女性75歳以上 |
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Dehydration(脱水) | BUN21mg/dL以上または脱水あり |
Respiration | SpO2<=90%(PaO2 60Torr以下) |
Orientation(意識障害) | 意識障害あり |
Pressure(収縮期血圧) | 収縮期血圧90㎜Hg以下 |
軽症 | 0点の場合 |
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中等症 | 1~2点の場合 |
重症 | 3点の場合 |
超重症 | 4~5点の場合 (ただし、ショックがあれば1項目のみでも超重症とする。) |
不明 | 重症度分類の各因子が1つでも不明な場合 |
脳梗塞の患者数・平均在院日数・平均年齢・転院率を集計しました。
診療科ごとの手術について症例数上位5つ(入院中に実施した最も主たる手術のみ)を集計しています。指標に示されるそれぞれの項目に関しては以下のとおりです。
以下の手術は集計対象外としています。
Kコード | 診療行為名称 |
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K0001 | 創傷処理(筋肉、臓器に達するもの(長径5cm未満)) |
K0002 | 創傷処理(筋肉、臓器に達するもの(長径5cm以上10cm未満)) |
K0003 | 創傷処理(筋肉、臓器に達するもの(長径10cm以上)) |
K0004 | 創傷処理(筋肉、臓器に達しないもの(長径5cm未満)) |
K0005 | 創傷処理(筋肉、臓器に達しないもの(長径5cm以上10cm未満)) |
K0006 | 創傷処理(筋肉、臓器に達しないもの(長径10cm以上)) |
K000-21 | 小児創傷処理(6歳未満)(筋肉、臓器に達するもの(長径2.5cm未満)) |
K000-22 | 小児創傷処理(6歳未満)(筋肉、臓器に達するもの(長径2.5cm以上5cm未満)) |
K000-23 | 小児創傷処理(6歳未満)(筋肉、臓器に達するもの(長径5cm以上10cm未満)) |
K000-24 | 小児創傷処理(6歳未満)(筋肉、臓器に達するもの(長径10cm以上)) |
K000-25 | 小児創傷処理(6歳未満)(筋肉、臓器に達しないもの(長径2.5cm未満)) |
K000-26 | 小児創傷処理(6歳未満)(筋肉、臓器に達しないもの(長径2.5cm以上5cm未満)) |
K000-27 | 小児創傷処理(6歳未満)(筋肉、臓器に達しないもの(長径5cm以上10cm未満)) |
K000-28 | 小児創傷処理(6歳未満)(筋肉、臓器に達しないもの(長径10cm以上)) |
K0011 | 皮膚切開術(長径10cm未満) |
K0012 | 皮膚切開術(長径10cm以上20cm未満) |
K0013 | 皮膚切開術(長径20cm以上) |
K0441 | 骨折非観血的整復術(肩甲骨、上腕、大腿) |
K0442 | 骨折非観血的整復術(前腕、下腿) |
K0443 | 骨折非観血的整復術(鎖骨、膝蓋骨、手、足その他 ) |
K0611 | 関節脱臼非観血的整復術(肩、股、膝) |
K0612 | 関節脱臼非観血的整復術(胸鎖、肘、手、足) |
K0613 | 関節脱臼非観血的整復術(肩鎖、指(手、足)、小児肘内障) |
K0621 | 先天性股関節脱臼非観血的整復術(両側)(リーメンビューゲル法) |
K0622 | 先天性股関節脱臼非観血的整復術(両側)(その他) |
K117 | 脊椎脱臼非観血的整復術 |
K117-2 | 頸椎非観血的整復術 |
K117-3 | 椎間板ヘルニア徒手整復術 |
K121 | 骨盤骨折非観血的整復術 |
K333-3 | 鼻骨骨折徒手整復術 |
K428 | 下顎骨折非観血的整復術 |
K430 | 顎関節脱臼非観血的整復術 |
K432 | 上顎骨折非観血的整復術 |
播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌感染症、手術・処置等の合併症の患者数と発生率を集計しました。
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した退院患者数に対して、肺血栓塞栓症の予防対策を実施した退院患者数の割合を集計しています。
細菌培養同定検査(血液)を実施した患者を対象として、この検査の血液培養オーダーが実施された日数に対して、血液培養の実施回数が1日に2回以上の日数の割合を集計しています。
広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数に対して、入院日以降抗菌薬処方日までの間に細菌培養同定検査が実施された患者数の割合を集計しています。対象となる抗菌薬は以下のとおりです。
退院患者の在院日数の総和に対して、対象の退院患者に発生した転倒・転落件数を1000人あたりの比率で集計しています。
退院患者の在院日数の総和に対して、対象の退院患者に発生したインシデント影響度分類レベル3b以上の転倒・転落の発生件数を1000人あたりの比率で集計しています。
レベル3b以上の詳細は以下のとおりです。
レベル | 傷害の継続性 | 傷害の程度 | 傷害の内容 |
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5 | 死亡 | 事故が死因となる場合(原疾患の自然経過によるものを除く) | |
4b | 永続的 | 中等度~高度 | 事故により予期しなかった、もしくは予期していたものを上回る永続的な傷害や後遺症が残り、有意な機能障害を伴う場合 |
4a | 永続的 | 軽度~中等度 |
事故のために予期しなかった、もしくは予期していたものを上回る濃厚な処置や治療の必要性が生じた場合。 ※濃厚な処置:バイタルサインの高度変化、人工呼吸器の装着、手術、入院日数の延長、外来患者の入院、骨折等 |
3b | 一過性 | 高度 | 事故のために予期しなかった、もしくは予期していたものを上回る濃厚な処置や治療の必要性が生じた場合。 |
予防的抗菌薬投与とは、現在は細菌感染を起こしていないが、手術後の感染をできるだけ防ぐために抗生物質をあらかじめ投与することをいいます。
全身麻酔手術にて予防的抗菌薬の投与が実施された手術のうち、手術開始前1時間以内に予防的抗菌薬が投与開始された手術件数の割合を集計しています。
全身麻酔手術とは、当該手術実施時に使用していた麻酔の種類が以下2つのいずれかを含むものを指します。
また、上記に硬膜外麻酔を併用した場合についても全身麻酔手術に含みます。
退院患者の在院日数の総和に対して、d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡が発生した患者数の割合を集計しています。
d2以上の褥瘡については以下のとおりです。
Depth(深さ) |
内容 |
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d2 | 真皮までの損傷 |
D3 | 皮下組織までの損傷 |
D4 | 皮下組織を超える損傷 |
D5 | 関節腔,体腔に至る損傷 |
DTI | 深部損傷褥瘡(DTI)疑い |
U | 壊死組織で覆われ深さの判定が不能 |
65歳以上の退院患者数のうち、入院後48時間以内に栄養アセスメントが実施された患者数の割合を集計しています。
栄養アセスメントとは詳細な栄養状態の評価を指し、栄養状態、疾患重症度や代謝亢進の程度、体重変化などの様々な情報を総合的に判定することです。
退院患者の在院日数の総和に対し、身体的拘束を実施した日数の総和の割合を集計しています。
身体的拘束とは、抑制帯等、患者の身体または衣服に触れる何らかの用具を使用して、一時的に当該患者の身体を拘束し運動を抑制する行動の制限のことであり、車椅子や椅子、ベッドに体幹や四肢をヒモ等で縛る等は全て該当します。
※移動時などに安全確保のために短期間固定ベルト等を使用する場合については、使用している間に常に職員が介助等のために当該患者の側につきそっている場合に限り該当しないものとして集計しています。