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にしこうべ vol.21 2019年09月
病気の早期発見に寄与する医療検査のスペシャリスト「臨床検査技師」

迅速で正確な検査の提供を

臨床検査技術部には、生理機能検査と検体検査の2部門があります。今回は、心電図検査や超音波検査などで患者さんと接する機会が多い、生理機能検査部門の臨床検査技師の皆さんにお話を伺いました。

(お話は、臨床検査技術部の東貞之主査、戸田進也技師、登尾薫技師、廣瀬圭子技師、榊原由希技師、久下加奈栄技師、安井佑季技師)

関節リウマチの早期発見や周産期医療にも有効性を発揮

生理機能検査部門の主な業務内容と特徴を教えてください。

登尾:当院の生理機能検査部門は、「腹部超音波検査」、「心肺機能検査」、「神経生理機能検査」の3つのパートに分かれています。臨床検査技師は複数の検査を兼任していて、私は主に腹部超音波検査と心肺機能検査を担当しています。
「腹部超音波検査」では、エコーを使って肝臓などおなかの臓器の検査を行うほか、乳腺エコーや甲状腺エコー、頚動脈エコーを行っています。
「心肺機能検査」では、心臓、血管、肺など、循環器領域や呼吸器関係の検査を行います。エコー以外にも、心電図検査や肺機能検査、手や足の皮膚の血流(皮膚灌流圧)を測って末梢動脈の循環機能を調べる皮膚組織灌流圧測定(SPP)などを実施しています。
「神経生理機能検査」では、脳波検査、脳神経関連検査、聴力検査、平衡機能検査、筋電図検査などを行っています。生理機能検査部門の最近のトピックスを挙げるとすれば、一つは関節リウマチ超音波検査でしょうか。

廣瀬:私は腹部超音波と神経生理の担当で、近年は関節リウマチの早期診断にも超音波検査を用いています。観察する主な部位は、手の指、ひじ、ひざ、肩などで、関節の滑膜というところに炎症がないかを調べます。炎症を起こしている関節滑膜は正常時と比べて厚みがあるのですが、検査機器の進歩によって、指一本一本の関節までかなり微細に見えるようになりました。

久下:腹部超音波と心肺機能が担当で、私も関節リウマチの超音波検査を行っていますが、従来のレントゲンでは見えなかった細かい変化を多方向から見ることができるため、リウマチの疑いがある患者さんの早期発見につながっています。CTやMRI検査のようにずっと静止していなくても検査ができるので、患者さんの負担も少ないと思います。

廣瀬:これまでのリウマチ治療は、お薬で痛みを抑える対処療法しかありませんでした。超音波検査で早期に発見できるようになり、リウマチだとわかった時点で強めのお薬を用いることで治療に大きな効果を発揮しています。

登尾:もう一つ、当院の生理機能検査部門の特徴は、産婦人科の超音波外来を臨床検査技師が任されていることです。妊娠高血圧症候群や高齢妊婦といったハイリスク妊娠例を中心に、超音波検査で胎児の成長を観察し、安心安全な出産をサポートしています。また、2年前より4Dエコー外来もスタートしています。より充実したマタニティライフを過ごしていただけるよう、かわいい赤ちゃんのお顔や動く姿を撮影しています。

不安・不快の少ない検査と、正確な検査データの提供を

検査の際に心がけていることはありますか?

東:私は腹部超音波検査と神経生理分野の検査を担当しています。聴力検査では、耳の遠い方や高齢者にも聞こえやすいよう、なるべくハッキリと低い声で話すように心がけています。また、複数回検査を行って平均値を取るなど、できるだけ正解に近い数値を出すように努めています。

榊原:私は心肺機能と神経生理の担当です。時間がかかる検査や、なじみのない検査が多いので、不安な気持ちで検査に来られる方が少なくありません。なかには、開口一番「痛くないですか?」と聞かれる患者さんもおられるので、どういう検査を行うのか、わかりやすい言葉で具体的な説明を行うようにしています。意識障害の患者さんでは、睡眠時の脳波が重要ですので、できれば検査中に眠ってもらえるよう、なるべくリラックスして検査を受けていただけるような雰囲気づくりも欠かせません。

安井:私も心肺機能と神経生理を担当しています。筋電図の検査は手足に微弱な刺激を与えるので、多少の痛みがあります。検査も1時間くらいかかるので、初めに「少し痛いですよ。なるべく力を抜いてリラックスしてくださいね」とお伝えし、楽しくお話をしながら検査を受けていただいています。お子さんから大人までいろいろな方がおられるので、患者さんの状態を確認しつつ、「患者さんの気持ちに寄り添うこと」と「笑顔で楽しく」を心がけています。

戸田:私の担当は腹部超音波と心肺機能検査です。腹部エコーでは、悪性腫瘍を疑った画像を集めて医師とのカンファレンスで情報を共有し、臨床検査技術部全体の知識を深めるようにしています。

登尾:正しい検査結果を得るために、客観性を持たせるよう心がけています。医師も臨床検査技師も全員が同じ目線で検査を行い、誰が検査を行っても同じ検査結果になることが重要だからです。
また、心肺機能では、毎週、医師や放射線技師、臨床工学技士など、他の部門のスタッフも交えて、入院患者さんに関する意見交換を行っています。電子カルテになっても、「こういう患者さんが入院してこられたので、こういう検査をオーダーしようと思います。日程はどうですか?」などと、直接顔を合わせて確認することは大切です。そうすることで、検査結果もきちんとフィードバックしやすくなります。

戸田:他部門との連携と言えば、私は院内の栄養サポートチーム(NST)の看護師を対象とした講義などを担当しています。患者さんの栄養評価のため、血液検査結果の見方などをレクチャーし、チーム医療にも取り組んでいます。

検査には患者さんの協力が不可欠

日々の業務で、やりがいを感じるのはどんな時ですか?

久下:私は臨床検査技師になって5年目ですが、勉強をしてもしても、まだまだ極められるところが面白いと感じています。

登尾:学生時代の勉強とは違って、仕事をしていくうちにいろんなことがつながって、より興味がわいてきますし、自分のためだけでなく患者さんのための勉強でもあるので、それがやりがいになっているんだと思います。

廣瀬:患者さんは何かしらの不調を抱えて来院されますが、それをうまく説明できないことがあります。私たちは、どこがどんな風に調子がよくないのか、痛みがあるのかないのか、普段の状態、今の状態を聞いて、頭の中で整理しながら総合的に判断しなければなりません。患者さんが訴える症状、痛みの表現や微妙なニュアンスの違いを聞き取って、これまでの経験から「ここを調べてみよう」「患者さんはこう言っておられるけど、ここかもしれない」と推測して検査を行い、結果と照らし合わせていきます。難しいけれど、やりがいを感じる部分でもあります。

安井:確かに患者さんからの情報はすごく大事ですね。

榊原:例えば筋電図検査では、患者さんの症状によって検査の部位や範囲を調整しなければいけないことがあります。検査をしながら患者さんから情報を引き出し、医師からオーダーされた検査に追加をすることもあります。医師の判読をもとに、知識を積み上げていく…という勉強の繰り返しですね。

登尾:生理機能検査には患者さんの協力が必要な場面が多くあります。患者さんとコミュニケーションを取って、いかに情報を引き出し、より正確な検査を行うかが重要です。

今後の課題や目標をお聞かせください。

東:専門家として、みんなが目標を高く持っています。引き続き切磋琢磨しながら、正しいデータを提供していくのが、私たちの最大の仕事だと思います。

登尾:現在、「マイナス1歳の命を大切に守ろう」というテーマのもと、周産期医療に力を入れているので、今後も検査技術を高めていくことと、後輩を指導して、それらを引き継いでいってもらいたいと考えています。

戸田:検査精度の向上と、超音波検査士の認定資格取得を目指したいと思います。

久下:私も超音波検査士の認定資格取得を目指したいですし、先輩方に近付けるよう技術を磨いていきたいです。

廣瀬:エコーはいろんな可能性を秘めています。関節リウマチの検査もその一つです。今後も新しい分野で役立てるように、勉強を続けていきたいと思います。

榊原:担当する臨床検査技師によって検査結果が変わることがないように、常にディスカッションをして精度の高い検査を提供できるようにしていきたいです。

安井:心電図の認定資格を取得して、自分の知識と技術を高めていきたいと思います。私は働き始めて4年目ですが、治療はドクターにしかできないけれど、治療前から治療後までのサポートとして患者さんの人生の一部に携わる臨床検査技師も、責任とやりがいがあるすごい仕事だと思います。これからも患者さんから多くのことを学びつつ、自分も成長していけたらいいなと思います。

ありがとうございました。

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