ご挨拶
当科では“QOLを重視した乳腺診療”をモットーとしております。乳がんの診断のためにはマンモグラフィ、超音波、MRIをはじめとした画像検査、細胞診や針生検といった術前病理検査が必要ですが、なるべく患者さんの負担の少ないものから選択し、診断するように心がけています。早くから乳房温存術、センチネルリンパ節生検に取り組み、QOLや整容性の確保と癌の根治性のバランスのとれた手術を行っております。最近では乳房再建が普及し、再建を前提に乳房切除を行うことも増えてきました。形成外科が自家組織を用いた乳房再建と人工物(シリコンインプラント)を用いた乳房再建術を行っています(形成外科のHPをご参照ください)。乳腺外科と形成外科が協同して乳房切除、一次乳房再建を行っています。
乳腺外科診察室は化学療法センターやがん相談支援室と隣接しており、また放射線科や超音波室、生理機能室も同じフロアにあって大変アクセスが良好です。ハード面のみならず、ソフト面においても患者さんに適切で快適な診療を提供できます。
近年遺伝性腫瘍の患者さんに対する遺伝カウンセリングと遺伝学的検査が普及してきました。当院においても遺伝カウンセリング外来を昨年度開設(現在は休止中のため提携医療機関による対応としています)しました。認定遺伝カウンセラーによる遺伝カウンセリングと遺伝学的検査を行い、遺伝性乳癌卵巣癌(hereditary breast and ovarian cancer: HBOC)はじめとした遺伝性腫瘍をはじめ、ひろく遺伝性疾患に対する遺伝診療を行っております。
診療内容
2022年の乳腺疾患手術件数は161例(乳癌に対する乳房切除87例・乳房温存術56例、良性乳腺腫瘍の手術18例)でした。乳癌症例143件のうちセンチネルリンパ節生検により腋窩リンパ節廓清を省略できたものが96件でした。最近は乳房再建を行うことを前提に乳房切除を行うことが増えてきました。当院においても乳腺外科と形成外科が共同して整容性のより優れた乳房温存術、乳房切除後の乳房再建術を行っております。乳房再建に関してはホームページの形成外科の診察案内をご参照ください。乳腺炎の診察・治療、乳がん検診の精密検査も行っております。
乳腺外来を月曜日、水曜日、木曜日の午前・午後、金曜日の午前に行っております。受診にあたっては可能な限りかかりつけ医あるいは検診施設から地域医療課を通して診察予約をとっていただくようにお願い申し上げます。予約外で来院の方には当日診察ができないため後日の診察予約をとっていただく場合がございます。
施設認定
日本乳癌学会認定施設
日本専門医機構 兵庫県立がんセンター乳腺専門研修カリキュラム連携施設
日本専門医機構 兵庫県兄弟乳腺専門研修カリキュラム連携施設
日本超音波医学会 専門医研修施設