入院中は、主治医の指示に基づき、病状に応じた食事を提供しています。食事の形態があっていない場合や、食事摂取量が落ちている場合には、病棟担当の管理栄養士が個別に対応し、食事内容を調整しています。
食事の種類(86食種)
- 一般食(基本食、軟食、嚥下食)
- 特別治療食(糖尿病、腎疾患、心疾患、術後食など病状に合わせて提供)
【基本食の一例】
【治療食の一例(腎不全食)】
食事の対応例について
- アレルギー対応
食物アレルギーのある患者さんには、除去食を提供しています。
妊産婦、小児患者さんに対しては、アレルギー調査票をもとに適正な食事を提供しています。
- 副食一口大
魚や肉、野菜等の副食を、スプーンやフォークでも食べやすい一口大のサイズで提供しています。
- きざみ食
噛むことが困難な患者さん等を対象に、魚や肉、野菜等の副食を細かく刻んで提供しています。
- とろみあんの追加
とろみを付けた「あん」を食事と一緒に配膳し、きざみ食など口の中でまとまりにくい料理にかけて飲み込みやすくすることができます。
- 嚥下食
食べ物や飲み物が飲み込みにくい患者さんを対象に、ゼリーやペースト形態の嚥下食(5段階)を提供しています。
- その他個別対応
食事が十分に摂れないなど、栄養量が不足している場合には、食種の調整や栄養補助食品の提案をしています。
すみれ食について
化学療法対応食としてすみれ食を2017年8月から開始しました。
がんの治療が原因で食欲不振、口内炎等の副作用があり、食事摂取量が少ない場合に適します。
【すみれ食の一例】
【すみれ食の一例】
行事食について
毎月、四季折々の行事に合わせた行事食を、カードを添えて提供しています。
行事食の一例
【5月:こどもの日】
【7月:七夕 】
【12月:クリスマス】
【1月:正月】
産科 お祝い膳について
当院で出産された方には、退院前(入院中1回、夕食)に「お祝い膳」を提供しています。
お祝い膳は、洋食のコース食でメイン料理が「月・水・金・日」はお肉、「火・木・土」はお魚の提供となります。
にしこうべvol11「病気だけでなく、アレルギー、嚥下、妊娠、がん治療などにも配慮した、80以上の食種で「安全、安心」と「おいしい」を両立《患者さんの元気をサポートする栄養管理室》」
栄養管理は患者さんの治療をしていく上で最も基本となる医療の根本です。栄養状態が良くなければ回復が遅れますし治療もすすみません。太っているから栄養状態は良いとは言えません。 病棟担当管理栄養士は食事を基本として、患者さんにあった栄養量を栄養評価から提案し、経腸・経静脈を含めた栄養療法を実践し、栄養の面から患者さんを支えています。適宜、病棟訪問をさせていただき、患者さん個々の状況に合わせた栄養管理を考え、提供していきたいと思っています。
個別栄養相談(入院、外来)
糖尿病、腎臓病、心臓病をはじめ、がんや低栄養など、各種病態に応じたお食事や適切な栄養の摂り方について、主治医の指示に基づいた栄養相談を行っています。外来は、予約制となっておりますので、ご希望の方は主治医にご相談ください。
時間:月曜日~金曜日 午前9時~午後4時50分まで(1枠:30分)
場所:2階 栄養相談室(エスカレーターを上がってすぐのお部屋)
*入院中の方には、病棟でも受けていただけます。
入院前栄養相談
時間:月曜日~金曜日(火曜日は午後のみ)午前9時~午後4時20分(1枠:30分)
場所:2階 患者支援センター 面談室5
患者支援センターでの入院前オリエンテーションにて、手術・化学療法の治療方式の方、栄養不良リスクの高い方などを対象に、栄養相談(予約制)を行っています。
身長・体重・握力などの身体測定と、お食事内容の聞き取りから栄養摂取に過不足がないかを確認し、足りない栄養素があればお食事内容の提案を行います。
栄養状態を維持・改善し、よりよく治療を受けていただくための一助としていただければ幸いです。
外来化学療法栄養相談
時間:月、水、木、金曜日 午前9時~12時30分(外来化学療法中に実施)
場所:3階 外来化学療法センター
外来化学療法を受ける患者さんに栄養相談を行い、化学療法のスケジュールに合わせて継続してフォローを行っています。主にがん病態専門管理栄養士が担当して実施しており、初回には、エネルギーやたんぱく質の必要量と目標量、化学療法によって起こりやすい副作用の対処法について資料を用いて説明します。同時に患者さんの現在の食事量を算出し血液検査データの結果をふまえ、どのような食品であれば食べることが可能か、相談の上ご提案しています。必要に応じて栄養補助食品の紹介も行っています。
集団栄養教室
糖尿病教室
医師、看護師、薬剤師、理学療法士、臨床心理士等と連携し、テーマを決めて実施しています。*詳細は外来掲示のポスターをご覧ください。
両親学級
産科医師、助産師、歯科衛生士等と連携し、妊婦さんやご家族の方を対象に、妊娠中や産後の食事についてお話ししています。
NST(栄養サポートチーム)
入院患者さんで、栄養障害を生じている方や栄養障害を生じるリスクの高い方を対象に、医師、歯科医師、看護師、薬剤師、言語聴覚士、理学療法士、臨床検査技師等が多職種でいろいろな角度から患者さんの栄養状態改善のための方策を考え共有し、適した栄養療法の実践に取り組んでいます。
*管理栄養士1名が「NST専任」として活動しています。
その他の活動
- 糖尿病療養指導支援チーム
糖尿病教室のほか、多職種でのカンファレンスや、医師、看護師、臨床心理士とともに「糖尿病指導外来」「糖尿病透析予防指導外来」を開設しています。
- 褥瘡対策チーム
皮膚科医師、皮膚、排泄ケア認定看護師とともにカンファレンス・回診を行い、褥瘡をもつ患者さんのケア、栄養管理に取り組んでいます。
- 緩和ケアチーム
医師・看護師・薬剤師、臨床心理士とともに回診を行い、患者さんの栄養管理に取り組んでいます。
- 精神科リエゾンチーム
- 思春期摂食障害支援チーム
- 高齢者・認知症サポートチーム
地域連携
神戸市西部3区(西区、垂水区、須磨区)の病院に勤務する管理栄養士を対象に、年1~2回「西神戸臨床栄養研究会」を開催し、会員相互の研鑽に努めています。