放射線診断科は各種画像診断や画像下治療と呼ばれる治療を行っています。画像診断では、当院で画像検査をうけられる年間延べ4万人以上の患者さんの医療画像を解析し、病気の診断や治療効果判定などを行っています。また画像下治療はあまりなじみがない診療名と思いますが、IVR(Interventional Radiology)の日本語名で、がんや血管病変などに対して画像ガイド下でカテーテル等を用いて行う低侵襲的治療です。
放射線診断科では、様々な診療科から依頼されるこれら画像診断・画像下治療を通じて、よりよい医療をうけていただけるよう患者さんを陰ながらサポートし、さらに当院の診療レベルの維持・向上に努めています。
放射線診断科の主な診療内容は下記の2つです。
日本医学放射線学会放射線科専門医研修施設(総合修練機関)
日本IVR学会専門医修練認定施設
日本核医学会専門医教育病院
CTは160列1台と80列2台の計3台のマルチスライスCTが稼働しています。一般的な断層画像の診断のみならず、造影剤を用いたDynamic CTで病変の血行動態を解析したり、ワークステーションを用いて3D画像による血管病変の評価・各種疾患の術前評価などを専門的に行います。
MRIは3テスラの超電導装置が2台稼働しています。これらのハイスペックな機能を生かしてきめ細やかな画像で診断しています。また血管の3D画像であるMR angiographyや胆道・膵管系の3D画像であるMRCPをはじめとした特殊画像も駆使して診断しています。
現在臨床では様々な種類のシンチグラフィが活用されていますが、当院では2022年に導入した撮影機器でほとんどの種類のシンチグラフィに対応しています。
国指定がん診療連携拠点病院の役割を果たすため、主に悪性腫瘍に対するFDG-PETに注力しています。その他にはサルコイドーシスの精密検査としてのPET-CTやアミロイドPETも取り入れています。
主にバリウムの造影剤を使用した上部消化管検査および下部消化管検査です。
乳房撮影のことです。通常のマンモグラフィに加えてトモシンセシスという乳房の断層撮影も併用して診断精度の向上に努めています。
血管内にカテーテルを挿入し、造影剤を投与して撮影する検査です。現在は引き続いて施行する画像下治療(IVR)目的に行われます。
肝臓がんなどの悪性腫瘍、腎血管筋脂肪腫などの良性腫瘍、消化管出血・喀血・外傷性出血・産科出血などの出血、内臓動脈瘤、肺動静脈瘻、腎動静脈奇形など
胃静脈瘤、肝腫瘍の術前処置など
透析シャント不全など
CVポート留置術、中心静脈カテーテル留置術、放射線治療用マーカー留置術
原発性アルドステロン症における選択的副腎静脈採血
腹腔内や後腹膜腔の膿瘍、膿胸
胸部病変、腹部病変、四肢病変
研究責任者 実務責任者 |
放射線科 参事 桑田陽一郎 連絡先電話番号 078-997-2200 |
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このたび当院では、IVR(画像下治療)を受けられた患者さんの情報を用いた下記の医学系研究を、倫理委員会の承認ならびに病院長の許可のもと、倫理指針および法令を遵守して実施しますので、ご協力をお願いいたします。
この研究を実施することによる、患者さんへの新たな負担は一切ありません。また患者さんのプライバシー保護については最善を尽くします。
本研究への協力を望まれない患者さんは、その旨を下記の「お問い合わせ」に示しました連絡先までお申し出下さいますようお願いいたします。
2013年7月1日以降、当院で放射線科医師によりIVR(画像下治療)を受けた方
日本インターベンショナルラジオロジー学会(以下IVR学会)における、症例登録データベースを用いた医学系研究
神戸市立西神戸医療センター 放射線科
IVR学会(主機関)
研究責任者:吉川公彦(IVR学会理事長)
実務責任者:中塚誠之(IVR学会理事)
IVR学会
インターベンショナルラジオロジー(以下IVR)は低侵襲な治療として、その評価は高く、すでに根治性を有する標準治療法として定着しつつあります。とくに患者のQOLの維持、入院期間の短縮など医療経済にも寄与していると考えられていますが、その実態を十分に把握できていないのが現状です。
本研究は、IVR学会を通して全国のIVRの実施情報を登録、集計することにより我が国における IVR診療の現状を明らかにし、また、会員個人、修練施設における登録を分析してIVR専門医の育成、修練施設の増加など今後のIVR診療の進歩・普及を図ることを目的とします。
収集したデータは、IVR診療の基礎と臨床の多くの研究に貢献すべく、IVR学会にて統計的な考察を加えて適時公開します。
IVR(画像下治療)実施に関する情報をインターネット経由でIVR学会症例登録データベースに登録を行います。個人情報の保護に関しては、連結不可能匿名化した管理IDの生成、SSLを用いたサーバーとの通信などの配慮を行っています。その他の氏名、生年月日、保険番号などの個人情報は送信・登録いたしません。
本研究では、診療上の必要性から実施したIVRの既存のデータを使用させていただくため、新たな身体的負担はありません。
なお、本研究は学会主導の臨床研究であり、解析結果の集計等の研究内容に他者が関与することはありません。IVR学会の責任医師が研究の施行や解析結果の集計をいたします。本研究で収集する情報は、IVRの実施に関係すると考えられる情報に限られます。
2013年7月1日以降(必要であれば:2018年6月30日まで)
きたがき はじめ
北垣 一
昭和59年 卒
役職 |
院長 |
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専門分野 |
放射線診断 |
資格 |
日本医学放射線学会放射線診断専門医・指導者 |
くわた よういちろう
桑田 陽一郎
昭和61年 卒
役職 |
部長 |
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専門分野 |
放射線診断 |
資格 |
日本医学放射線学会放射線診断専門医・指導者 VAIVT認定専門医 神戸大学医学部臨床教授 |
きたむら ゆり
北村 ゆり
平成5年 卒
役職 |
医長 |
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専門分野 |
放射線診断 |
資格 |
日本医学放射線学会放射線診断専門医・指導者 |
あべ よしたか
安部 能崇
平成6年 卒
役職 |
医長 |
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専門分野 |
放射線診断全般 |
資格 |
日本医学放射線学会放射線診断専門医・指導者 日本医学放射線学会放射線科専門医 PET核医学認定医 |
とみまつ ひろたか
富松 浩隆
平成15年 卒
役職 |
医長 |
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専門分野 |
放射線診断 |
資格 |
日本医学放射線学会放射線診断専門医・指導者 |
こうの やすひで
河野 泰秀
平成23年 卒
役職 |
副医長 |
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専門分野 |
放射線診断 |
資格 |
日本医学放射線学会放射線診断専門医・指導者 検診マンモグラフィ読影認定医 |
すぎやま なおき
杉山 直生
令和2年 卒
役職 |
専攻医 |
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専門分野 |
放射線診断科一般 |
2023年度に診断レポートを作成した総読影件数は43,112件です。最近の年度別件数の詳細は下の表のとおりです。
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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CT | 25242 | 26573 | 27078 | 26172 | 28314 |
MRI | 10891 | 10488 | 11692 | 11460 | 11696 |
RI(SPECT) | 1005 | 844 | 1052 | 854 | 797 |
PET-CT | 1161 | 1156 | 1201 | 1096 | 1080 |
MMG | 1107 | 981 | 1106 | 993 | 1093 |
消化管造影 | 233 | 226 | 190 | 148 | 132 |
画像診断の合計 | 39639 | 40502 | 42319 | 40723 | 43112 |
2023年度に行った血管造影・IVRの件数は479件です。最近の年度別件数の詳細は下の表のとおりです。
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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血管造影のみ | 4 | 3 | 20 | 11 | 15 |
血管系IVR | 392 | 366 | 438 | 363 | 398 |
非血管系IVR | 25 | 63 | 83 | 81 | 66 |
血管造影・IVRの合計 | 421 | 432 | 541 | 455 | 479 |