当院には15床の血液透析室があり、主に血液透析の導入と入院患者さんの血液透析を行っています。その他にも各種血液浄化療法(血漿交換、血漿吸着、白血球除去療法、LDLアフェレシスなど)も必要に応じて行っています。特色としては、結核病棟があるため結核患者さんの血液透析に対応した隔離透析室が1床あり、主に神戸市内に居住する透析患者さんが結核に罹患した場合の血液透析に対応しています。
また、集中治療室でも血液浄化療法や血液透析、持続血液透析などの治療を行う場合もあります。その他、希望者に対しては腹膜透析の導入と管理を行っています。
その他治療選択(腎移植、血液HD、腹膜透析)や保存期腎不全、末期腎不全患者の生活指導外来を行っています。
特に決まった施設と深いつながりを持っているわけではなく、他施設を紹介する場合でも患者さんの希望する施設に紹介しています(相手方の施設が受け入れできない場合を除く)。当院以外の施設の医師の意見をお聞きになりたい場合も遠慮せずお申し出下さい。
腎臓内科の診察を希望される患者さんへ
当科では、令和3年4月1日より初診患者の診察は紹介状を持参された患者さんに限らせていただきます。ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解とご協力を賜りますようお願いいたします。
CKD(Chronic Kidney Disease)=慢性腎臓病という言葉を耳にしたことはないでしょうか?腎臓の機能は歳をとるとともに徐々に低下していきます。糖尿病や高血圧、慢性腎炎の患者さんの腎機能はさらに早く低下します。腎機能の低下が限界を超えると末期腎不全となり、透析や移植などの腎臓の機能を補完する治療が必要になります(こういう治療を腎代替療法と呼びます)。
社会の高齢化や糖尿病の患者さんの増加に伴い、腎代替療法を受ける患者さんは年々増加して国内で34万人を突破しました。国民400人に1人が腎代替療法を受けている計算になります。腎臓病は末期腎不全に至るだけでなく、心筋梗塞や脳卒中などの原因になることも明らかになってきました。腎不全対策が社会的にも重要になってきていますが、腎臓はいったん悪くなると治療でもとにもどすことができません。
末期腎不全という病気はある日突然起こるわけではなく、多くの患者さんは糖尿病や高血圧、慢性腎炎などを発症してから数十年後の経過の後に末期腎不全になります。したがって、将来腎臓病になりそうな患者さんを早期に見つけ出して早期から治療することが、腎不全対策として重要です。
そこで、そういう腎臓病の予備軍を早期に見つけるための手段として、CKDという概念が提唱されました。腎疾患の原因に関わらず、腎機能異常、尿所見異常、腎形態的異常が3か月以上継続した場合にCKDと診断されます。現在、一般の健診などでも尿検査、血液検査を元にCKDの診断を行い、CKDに該当する方については専門医の受診を勧めています。
CKDはあくまでも将来腎不全になるリスクがある患者さんを効率よく見つけ出すための方法であり、CKDという名前の病気があるわけではありませんし、CDKと診断されたから必ず将来腎代替療法が必要になったり入院が必要になったりするわけではありません。しかし、CKDと診断された場合は適切な治療をすることにより将来の腎不全を防いだり、腎機能低下速度を遅くすることができます。
CKDの定義は、わかりやすく書くと以下の2つになります。
CKDは上に書いたとおり将来腎不全になる可能性のある人を診断するための基準ですので、その中にはいろいろな病気が含まれます。末期腎不全で透析を新たに受けるようになった患者さんの腎不全になった原因は、約41%が糖尿病、約15%が慢性腎炎、約17.5%が高血圧や加齢が原因となる腎硬化症、その他の病気が5%(さらに原疾患が不明の人が14%)となっています。この中でも腎硬化症が生活習慣の変遷や高齢化の進展に伴い毎年増加し続けています。
腎機能はいったん低下してしまうと元に戻すことはできません。したがって、CKDの治療は腎機能が低下する前に早期からCKDの原因となっている病気を治療することが優先されます。糖尿病の場合は糖尿病の管理と血圧の管理、慢性腎炎の場合は病理検査を行い病態に合わせた治療が行われます。
腎硬化症の場合には高血圧、脂質異常、高尿酸血症と加齢が原因になりますが、加齢は治療できないのですが血圧、脂質異常、高尿酸血症の管理を行います。そのためには、食事療法が重要な治療手段です。
腎臓内科では 1、慢性腎炎、ネフローゼ症候群などの腎疾患に対して病理検査(腎生検)を行って治療する、2、慢性腎臓病(CKD)患者の悪化を防ぐための生活指導、食事管理、服薬管理、3、末期腎不全に至ってしまった場合は、血液透析、腹膜透析、腎移植のいずれを行うかを決める療法選択を行った上で血液透析、腹膜透析の導入を行う(腎移植に関しては移植を行っている施設に紹介する)、4、維持血液透析を受けている患者さんが入院した際の透析療法の管理、5、集中治療室で行う血液浄化療法の管理を行っています。
かきた ひろこ
垣田 浩子
平成20年 卒
役職 |
部長代行 |
---|---|
資格 |
日本内科学会認定内科医 総合内科専門医 |
なかた ようすけ
中田 庸介
平成26年 卒
役職 |
副医長 |
---|---|
資格 |
日本内科学会認定内科医 総合内科専門医 腎代替療法専門指導士 |
はせべ まさこ
長谷部 雅子
平成30年 卒
役職 |
副医長 |
---|
はやしだ まりな
林田 珠奈
令和3年 卒
役職 |
専攻医 |
---|---|
資格 |
厚生労働省認定緩和ケア講習会修了 |
診療室 | 月曜 | 火曜 | 水曜 | 木曜 | 金曜 |
---|---|---|---|---|---|
122 | 午前:垣田 2・4週 午後:林田 |
長谷部 | 中田 | ||
112 | 垣田 |