当科では消化器疾患全般の診断から治療までを広く対応しています。病状に応じて、外科・消化器外科、放射線診断科、放射線治療科、腫瘍内科とも密に連携を取り、また、看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、臨床検査技師、管理栄養士、理学療法士、臨床工学技士ら多職種ともタッグを組んで、患者さんに最善の治療が行えるように努めています。
消化器内視鏡検査では、出来るだけ苦痛が少なく検査を受けていただけるように、希望の方には鎮静下の内視鏡検査を実施しています。検査後にしばらく休んでいただけるリカバリー室を設置しています。

図1 消化器内視鏡センター リカバリー室
食道がん、胃がん、大腸がんなどの消化管悪性腫瘍の早期診断に力を入れています。そのため、全内視鏡システムでハイビジョンでの拡大観察が可能となっています。(図2)

図2 拡大観察(NBI)による病変範囲の確定
早期診断が可能であった病変では、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)(図3)でいわゆる手術をすることなく内視鏡治療のみで病変を切除することを目指しています。

図3 消化管(十二指腸)ステント
消化管の進行がんについては、外科・消化器外科と連絡を取り合って手術適応について検討しています。がん化学療法(抗がん剤治療)についても最新の知見に基づいて適切に実施しており、国指定がん拠点病院の役割を果たしています。がんによる消化管狭窄については、食道、胃十二指腸、大腸などに緩和的な消化管ステント(図4)を留置しています。

図4 消化管(十二指腸)ステント
大腸ポリープについては、小型で出血のリスクが低く、がんの可能性が低いものでは、発見次第その場で切除するCold Snare Polypectomyを実施しています。大きいものや悪性の可能性があるもの、抗血栓症薬を内服中の場合では、後日あらためて入院または外来で内視鏡的粘膜切除術(EMR)を行っています。
胃十二指腸潰瘍などの消化性潰瘍、食道静脈瘤破裂については、緊急上部内視鏡検査を実施し内視鏡的止血術を行います。大腸憩室出血などの血便については、造影CTで出血部位や程度を確認の上で内視鏡的止血術や放射線診断科と協働して動脈塞栓療法を実施しています。
潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患についても、多数の患者さんを診察しています。5-ASA製剤の内服はもとより、ステロイド製剤、免疫調整剤や生物製剤などを用いたり、血球吸着療法を実施したりと、患者さんの病状に応じた適切な治療を実施しています。
小腸の病変が疑われる場合には、小腸カプセル内視鏡検査(図5)やバルーン内視鏡検査を実施しています。バルーン内視鏡検査では病変の状態に応じて、生検、止血、拡張なども実施しています。
図5 小腸カプセル内視鏡
近年のウイルス性肝炎治療の進歩は目覚ましく、ウイルス性肝炎から、肝硬変、肝がんへと進行していく患者さんの病状進行を食い止めることができるようになりました。B型肝炎では核酸アナログ製剤という内服薬を用いて炎症を抑えることが出来るようになり、C型肝炎ではインターフェロンフリー治療(DAA治療)という内服薬を用いてによってウイルスを消失させることができるようになっています。
肝細胞がんでも、早期発見は重要です。そこで慢性肝障害のある(あった)患者さんには定期的な画像診断を行い、早期に診断し、適切な治療につなげています。治療方法については、切除、ラジオ波焼灼療法(RFA)(図6)、肝動脈塞栓療法(TACE)、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤などを病状に応じて選択して治療していますが、患者さんのQOLも含め十分に検討した上で治療を行っています。

図6 ラジオ波焼灼療法(RFA)
総胆管結石の患者さんも多くいます。総胆管結石の治療は、内視鏡的に胆汁の出口である十二指腸乳頭から結石を取り出します。(図7)
胆管に強い炎症を伴っている場合には、とりあえず胆管内にドレナージチューブを置いて十分な減圧を得て全身状態が安定してから、後日結石除去を行っています。

図7 内視鏡的十二指腸乳頭切開と結石除去
胆管がん、膵がんなどが疑われた場合には、腹部超音波検査、造影CT、MRIなどに加えて、内視鏡の先端に超音波診断装置がついている超音波内視鏡検査(EUS)を積極的に実施しています。精査が必要な場合には、入院の上で、内視鏡的胆管膵管造影検査(ERCP)や引き続いて細胞診や組織診を実施します。病変部位によってはEUS検査に続いて針生検を行うEUS-FNA (図8)も実施しています。これらによって正確に診断を行い、治療につなげています。治療については、外科・消化器外科とも十分に検討を行った上で、外科手術や抗がん剤治療などを組み合わせて適切な治療方法を選択しています。
胃切除術後再建後などの胆道系へのアプローチには、シングルバルーン小腸内視鏡検査を組み合わせて実施しています。

図8 超音波内視鏡下針生検(EUS-FNA)
嚥下障害などで経口摂取が困難な状況では、経管栄養が行われます。短期間であれば経鼻胃管から行いますが、長期間が予想される場合は、胃瘻からが推奨されています。当科では胃瘻造設を内視鏡を用いて行う、経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)を行なっています。また、胃切除術後などで胃瘻造設が困難な場合には経皮経食道胃管挿入術(PTEG)も実施が可能で、消化管減圧目的の場合を含めて、多くの症例で実施しています(図9)。

図9 PEGとPTEG
いたに としなお
井谷 智尚
平成2年 卒
| 役職 |
副院長 部長 |
|---|---|
| 専門分野 |
消化器疾患全般 |
| 資格 |
日本内科学会認定内科医 |
はやし もとひと
林 幹人
平成9年 卒
| 役職 |
医長 |
|---|---|
| 専門分野 |
消化器疾患全般 |
やまもと しゅうじ
山本 修司
平成10年 卒
| 役職 |
医長 |
|---|---|
| 専門分野 |
炎症性腸疾患 |
| 資格 |
日本内科学会総合内科専門医 日本消化器病学会専門医指導医 日本消化器内視鏡学会専門医指導医 日本炎症性腸疾患学会IBD専門医指導医 |
しまだ ゆかり
島田 友香里
平成12年 卒
| 役職 |
医長 |
|---|---|
| 専門分野 |
消化器疾患全般 |
| 資格 |
日本内科学会総合内科専門医 |
あだち かんな
安達 神奈
平成17年 卒
| 役職 |
医長 |
|---|---|
| 専門分野 |
消化器疾患全般 |
| 資格 |
日本内科学会総合内科専門医 |
はぎはら たけし
萩原 健
平成20年 卒
| 役職 |
専攻医 |
|---|---|
| 専門分野 |
消化器疾患全般 |
| 資格 |
日本外科学会認定登録医 |
おおた しょうご
太田 匠悟
平成27年 卒
| 役職 |
副医長 |
|---|---|
| 専門分野 |
消化器疾患全般、胆膵領域の診断と治療(EUS、ERCP) |
| 資格 |
日本内科学会認定内科医 日本消化器病学会専門医 日本消化器内視鏡学会専門医 日本肝臓学会専門医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 |
おおしま あきひろ
大島 章裕
令和2年 卒
| 役職 |
医師 |
|---|---|
| 専門分野 |
消化器疾患全般 |
| 資格 |
日本専門医機構認定内科専門医 |
にのみや こうだい
二野宮功大
令和4年 卒
| 役職 |
専攻医 |
|---|---|
| 専門分野 |
消化器疾患全般 |
あきおか ゆり
秋岡 由莉
令和4年 卒
| 役職 |
専攻医 |
|---|---|
| 専門分野 |
消化器疾患全般 |
すぎもと あやか
杉本 采加
令和4年 卒
| 役職 |
専攻医 |
|---|---|
| 専門分野 |
消化器疾患全般 |
もり たけし
森 豪史
令和4年 卒
| 役職 |
専攻医 |
|---|---|
| 専門分野 |
消化器疾患全般 |
ながまつ こうた
永松 航太
令和5年 卒
| 役職 |
専攻医 |
|---|---|
| 専門分野 |
消化器疾患全般 |
あさだ ともゆき
浅田 朋侑
令和5年 卒
| 役職 |
専攻医 |
|---|---|
| 専門分野 |
消化器疾患全般 |
| 診療室 | 月曜 | 火曜 | 水曜 | 木曜 | 金曜 |
|---|---|---|---|---|---|
| 121 | 午後:森 | ||||
| 212 | 安達 | 秋岡 | 島田 | 林 | 二野宮 |
| 213 | 太田 | 山本 | 大島 | 杉本 | 井谷 |
| 601 | 午前:浅田 |
午後:永松 |
| 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 上部消化管内視鏡検査・ 治療総件数 |
4,951 | 5,313 | 4,991 | 4,870 |
4,539 |
|
| 上部消化管内視鏡検査 | 4,539 | 4,687 | 4,472 | 4,334 | 4,023 | |
| 上部消化管内視鏡治療 | 412 | 626 | 519 | 536 | 516 | |
| 上部消化管止血術(静脈瘤以外) | 125 | 153 | 147 | 192 | 171 | |
| 食道静脈瘤治療(EIS/EVL) | 25 | 35 | 50 | 41 | 27 | |
| 食道内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD) | 5 | 22 | 19 | 31 | 21 | |
| 胃内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD) | 76 | 85 | 105 | 97 | 90 | |
| 胃内視鏡的粘膜切除術(EMR) | 15 | 18 | 13 | 11 | 12 | |
| 食道異物除去術 | 16 | 19 | 29 | 18 | 20 | |
| 上部イレウスチューブ挿入術 | 80 | 69 | 44 | 41 | 47 | |
| 食道狭窄部バルーン拡張術 | 20 | 39 | 44 | 27 | 42 | |
| 経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG) | 33 | 53 | 57 | 51 | 51 | |
| 経皮経食道胃管挿入術(PTEG) | 5 | 8 | 4 | 2 | 3 | |
| 食道金属ステント留置術 | 5 | 5 | 4 | 12 | 12 | |
| 胃・十二指腸金属ステント留置術 | 7 | 14 | 7 | 13 | 20 | |
| 大腸内視鏡検査・治療総件数 | 3,510 | 3,659 | 3,481 | 3,468 | 3,466 | |
| 大腸内視鏡検査(Cold Snare Polypectomyを含む) | 3,039 | 2,991 | 3,016 | 2,783 | 2,959 | |
| 大腸内視鏡治療 | 471 | 668 | 465 | 685 | 507 | |
| 下部消化管止血術 | 73 | 118 | 114 | 139 | 173 | |
| 大腸内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD) | 43 | 55 | 62 | 59 | 77 | |
| 大腸内視鏡的粘膜切除術(EMR) | 324 | 459 | 251 | 447 | 226 | |
| 大腸金属ステント留置術 | 21 | 24 | 29 | 23 | 23 | |
| 下部イレウスチューブ挿入術 | 10 | 12 | 9 | 17 | 8 | |
| 内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)総件数 | 463 | 435 | 479 | 498 | 514 | |
| 十二指腸乳頭切開術(EST) | 206 | 164 | 158 | 193 | 202 | |
| 十二指腸乳頭バルーン拡張術(EPBD) | 16 | 12 | 25 | 29 | 31 | |
| 胆管金属ステント留置術 | 32 | 24 | 33 | 30 | 37 | |
| 胆管チューブステント留置術 | 154 | 134 | 137 | 211 | 239 | |
| 経鼻胆管ドレナージ術 | 183 | 148 | 121 | 47 | 24 | |
| 膵管ステント留置術 | 9 | 4 | 8 | 18 | 30 | |
| ・経鼻膵管ドレナージ術(細胞診を含む) | 20 | 12 | 18 | 11 | 8 | |
| 超音波内視鏡(EUS)総件数 | 298 | 385 | 347 | 397 | 338 | |
| EUS-FNA(超音波内視鏡下針生検) | 78 | 62 | 59 | 70 | 75 | |
| EUS-CD(超音波内視鏡下膵嚢胞ドレナージ) | 0 | 3 | 3 | 0 | 4 | |
| EUS-BD(超音波内視鏡下胆道ドレナージ) | 0 | 1 | 5 | 12 | 12 | |
| 腹部超音波検査・治療総件数 | 8,656 | 8,279 | 8,138 | 8,213 | 6,835 | |
| 腹部超音波検査(技師+医師) | 8,530 | 8,153 | 8,034 | 8,045 | 6,723 | |
| 造影腹部超音波検査 | 26 | 24 | 11 | 24 | 22 | |
| 経皮的エコーガイド下針生検 | 24 | 18 | 23 | 32 | 30 | |
| 経皮的エコーガイド下治療 | 38 | 42 | 35 | 56 | 60 | |
| 経皮的ラジオ波焼灼療法(RFA) | 11 | 16 | 12 | 14 | 22 | |
| ・経皮的胆管ドレナージ術(PTCD) | 10 | 1 | 3 | 0 | 1 | |
| ・経皮的胆嚢ドレナージ術(PTGBD)吸引(PTGBA) | 5 | 17 | 6 | 29 | 16 | |
| 経皮的肝膿瘍ドレナージ術 | 7 | 7 | 11 | 13 | 15 | |
| 経皮的腹腔内膿瘍ドレナージ術 | 5 | 1 | 3 | 0 | 6 | |
| (シングルバルーン)小腸内視鏡検査・治療総件数 | 36 | 33 | 49 | 59 | 64 | |
| 小腸内視鏡検査 | 8 | 6 | 4 | 16 | 24 | |
| 小腸内視鏡治療(術後胆管への治療) | 28 | 27 | 45 | 43 | 40 | |
| 小腸カプセル内視鏡検査総件数 | 3 | 11 | 8 | 15 | 13 | |

