ご挨拶
循環器内科では狭心症や心筋梗塞、心不全、弁膜症、不整脈などの心臓疾患、大動脈瘤などの動脈や静脈に関する血管疾患、高血圧などの診療を行なっています。
神戸市西地域の病院・医院の先生方と密接な協力体制を構築しており、ホットラインを介して救急患者さんにも対応していますので、かかりつけ医の先生よりご紹介いただければスムーズに受診いただけます。
当科の外来は予約制をとっていますが、通院患者さんが多いために待ち時間が長くなり、ご迷惑をかけています。高血圧、高脂血症などで心臓の合併症のない患者さんや、安定した慢性期の心臓病の患者さんは地域の先生への通院をお願いしています。ご協力をお願い申し上げます。
診療内容
循環器内科は神戸市西地域の循環器基幹施設の一つとして、1994年の開院当初より心臓救急への対応を最優先目標としてきました。
心臓救急の代表的な疾患としては虚血性心疾患(急性心筋梗塞、狭心症)と急性心不全が挙げられます。近年の健康意識の高まりや、喫煙率低下、地域の先生方の早期からの生活習慣病管理の成果もあって、中高年の急性心筋梗塞患者数はやや減って来ている印象ですが、30〜40歳代の若年者の心筋梗塞、狭心症はむしろ年々増加してきています。
また地域の高齢化に伴い、心臓病の末期状態である心不全患者は増加の一途をたどっています。当科の業務はこのような急性期心疾患の管理、治療が中心となっており、入院患者の2分の1〜3分の2を緊急入院患者が占めているのが実情です。特に急性心筋梗塞では、発症後いかに早く再疎通療法を行うかが重要となりますので、24時間いつでも緊急心臓カテ−テル検査、冠動脈インターベンション(PCI)が可能なオンコール体制をとっています。
循環器疾患はその他にも不整脈、弁膜症、心筋・心膜疾患、大動脈疾患、末梢動脈疾患、静脈血栓塞栓症(肺塞栓、深部静脈血栓)など多岐にわたっており、それぞれの疾患に対して標準的内科治療を行っております。外科的な治療が必要な場合には、近隣の心臓血管外科施設と緊密な連携をとっています。
施設認定
日本循環器学会認定循環器専門医研修施設
「経皮的冠動脈形成術」、「経皮的冠動脈血栓切除術及び冠動脈ステント留置術」、「経皮的冠動脈形成術(特殊カテーテルによるもの)」「ペースメーカー移植術及びペースメーカー交換術」に関する施設基準を満たす。
主な疾患
- 虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)
- 心不全
- 不整脈
- 心膜心筋疾患
- 弁膜症
- 大動脈瘤、急性大動脈解離
- 閉塞性動脈硬化症
- 静脈血栓塞栓症(肺塞栓、深部静脈血栓)
- 狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患に対する冠動脈インターベンションにおいては、心筋シンチやFFR(冠血流予備能比)測定などで虚血を証明したうえで、適応を厳格に判断して行っています。また血管内超音波(IVUS)を全例行い、至適な血管拡張を心がけています。令和4年4月に血管造影装置の更新が完了しました。新しい装置によって、X線被曝量の低減とともに、より精密な検査・治療が可能となりました。
- 下肢動脈、腎動脈に対する血管内治療を行っています。最近では皮膚科・形成外科と連携して、難治性足趾壊疽などの重症下肢虚血に対して血管内治療を行う症例が増えています。
- 近年、心不全入院患者が増加傾向にあり、特に再入院を繰り返す患者さんが増えています。再入院を予防するためには、多職種による患者さんのケアが必要で、特に心臓リハビリテーションが有効といわれています。当院では、令和2年4月に「心臓リハビリテーションチーム」発足させました。現在、新型コロナウイルス感染症の影響で、まだ外来リハビリテーションは充分できていませんが、落ち着いた時点で拡充し、リハビリテーションを介した「入院から退院後まで継続した」心不全ケアを行っていきたいと考えています。