中核病院としての機能を維持し、安全で良質な医療を提供するために、業務、知識、技術、チームワークの向上を目指します。
臨床工学技士Clinical Engineerの略称です。臨床工学技士は、1988年に誕生した比較的新しい国家資格であり、その業務は生命維持管理装置の操作および保守点検とされています。高度医療の安定した供給と安全性の両立を目指し、日々業務に取り組んでいます。
室長 | 伊丹 淳(消化器外科 部長) |
---|---|
技士長代行 | 石井 利英 |
スタッフ | 男性12名 女性4名 |
国家資格(臨床工学技士以外)
臨床検査技師 | 1名 |
---|
医療機器管理関連
第2種ME技術実力検定試験 | 12名 |
---|---|
第1種ME技術実力検定試験 | 2名 |
臨床ME専門認定士 | 1名 |
医療情報技師 | 2名 |
認定医療機器管理臨床工学技士 | 1名 |
ホスピタルエンジニア | 1名 |
電気工事士2種 | 2名 |
医療機器情報コミュニケータ(MDIC) | 1名 |
医療安全管理者 | 2名 |
呼吸療法、集中治療関連
3学会合同呼吸療法認定士 | 4名 |
---|---|
認定集中治療関連臨床工学技士 | 1名 |
血液浄化関連
透析技術認定士 | 2名 |
---|---|
認定血液浄化臨床工学技士 | 1名 |
アンギオ、内視鏡関連
消火器 | 1名 |
---|
救急、災害医療関連
災害派遣医療チーム DMAT隊員 | 1名 |
---|
大学院等
応用情報学修士(履修中) | 1名 |
---|---|
医学研究科修士(履修中) | 1名 |
医療安全管理学修士 | 1名 |
平日は8時15分から業務調整をおこない各部門の始業に間に合うよう準備をはじめ、各部門の終業まで対応しております。また、夜間休日は2系統(①緊急心臓カテーテル用、②それ以外全般)の呼び出し体制を構築し、24時間365日、診療科からの要望に応えられるよう対応しております。組織としては多様性と専門性を両立するため、①レジリエンスの向上、②ディスカッションのしやすい環境づくり、③シンプルかつ効果的な組織運営、をモットーに2チーム制の構築を目指しています。各チームにリーダーをそれぞれ2名ずつ配置するWリーダー制を採用し、チーム内での柔軟な業務調整とともに、チームの垣根を越えた連携を深め部門全体をマネジメントしています。
ME室が中心となり、院内に点在する医療機器の保守管理を実施しています。保守管理には、医療機器管理ソフトを用いて医療機器の耐用年数の延長を図る一方、機器購入時の性能評価や廃基準などの判定も行い、経済的効果にも寄与する事を目指しています。
【電子カルテへの医療機器対応業務】
看護師の業務軽減を目線に院内の医療機器と電子カルテとの連携を行っています。医療情報企画係と連携を取りながら、病院情報システム(HIS)内の医療機器における部門別システム構築に貢献しています。
【病院内電波環境整備の取り組み】
医療機器から発生する電波の環境整備に取り込んでいます。特に医用テレメータの管理には力を入れており、周辺機器からの電波干渉等に注目し、安全に使用できるように努めています。
集中治療室では臨床工学技士が重症患者さんの治療に関わっています。人工呼吸器や、持続腎代替療法(CRRT)、経皮的心肺補助装置(PCPS装置)、大動脈内バルーンパンピング装置(IABP装置)、その他各種血液浄化(血漿交換、血漿吸着、二重濾過血漿交換・血液吸着など)の治療に携わっており、機器の操作のみならず治療への参加はもちろんのこと、保守・管理等も行っています。緊急時に備えオンコール体制をとっており24時間365日、様々な状況に対応できるように待機しています。
また、院内全体で行う人工呼吸療法のより良い治療を行うサポートも業務としています。人工呼吸器保守管理はもちろん、人工呼吸管理中は担当の臨床工学技士が作動状態を確認し、医師と協議し人工呼吸器の設定やアセスメント、デバイス選択、離脱支援等を行います。多職種による呼吸サポートチームの一員としても、医師・看護師・理学療法士等と緊密に連携し、安全かつ効果的な呼吸療法を目指し日々奮闘しています。
一方、地域医療の一環として在宅人工呼吸の導入や家族への指導等も行っており、患者さんのQOL(quality of life)を重視した対応を目指しています。
夜間睡眠中の呼吸状態を調べるPSG(終夜睡眠ポリグラフィ)検査やそれに先駆けて行う、自宅でのパルスオキシメーターによるスクリーニング検査などについて、患者さんへの電極装着や機器の使用方法の説明などを行い、検査結果の解析、治療器の導入管理も行っています。
手術室では、医療機器の管理、修理、トラブル対応、特殊手術への立会いなどを行っています。具体的には手術支援ロボット(da Vinci)をはじめ、術前に使用する麻酔器や内視鏡手術機器、術中に使用するナビゲーションなど最新手術機器の操作設定を行っています。
また、滅菌前の内視鏡鉗子やドリルなどの点検を行い、手術中のトラブルを最小限に抑えるよう努力しています。
手術室は平成26年6月より2室増え8室となりました。これにより、臨床工学技士活躍の場もさらに広がりました。手術室では医師、看護師とカンファレンスやミーティングを通じて連携を取り、より良いチーム医療の実践が出来るよう努力しています。
ペースメーカー業務では、ペースメーカー植込み手術時の機器操作、患者情報の管理などを行っています。また、ペースメーカー外来では、過去の使用状況などから最適な設定を行うため臨床工学技士が機器の操作を担当しています。当院ではMedtronic社とSt Jude Medical社のペースメーカーを取り扱っており、医師と協力し様々な機能を使い分けることで、患者さんを第一に考えた設定を目指しています。
平成25年12月から1名の臨床工学技士を専任で配属し、内視鏡室業務を開始しています。当院の内視鏡室では年間約10、000件の症例があり、通常の内視鏡検査の他にESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)、EMR(内視鏡的粘膜切除術)、EUS(超音波内視鏡検査)、RFA(経皮的ラジオ波焼灼療法)など多くの特殊症例に対応しています。内視鏡センターは稼働率が高いため、トラブルの回避や業務の効率化を目標に、機器のセットアップや処置中の機器操作など積極的に行っています。2016年10月に新内視鏡センターがオープンし検査室が7室になり、最新の機器設備を導入しました。内視鏡チームとして今後は、地域連携の推進や症例数増加、経営に改善を目標に取り組んでいきたいと考えています。
当院では平成27年度より臨床工学技士が血管造影室で業務を行っています。現在は24時間365日の呼び出し体制で対応しています。 臨床工学技士は高度医療機器を扱うプロフェッショナルであり、医学と工学知識を併せ持った職種です。血管造影室においても生命維持管理装置や治療支援装置を安全かつ円滑に使用できるようサポートすることで、チーム医療の一端を担っています。 血管造影検査では右心カテーテルでの血圧解析(スワン・ガンツカテーテル)、虚血性心疾患では冠血流予備比(iFR・FFR)の計測、血管内超音波(IVUS)での血管内評価、ポリグラフの記録などを行っています。最近では末梢血管内治療(EVT)においても血圧解析、IVUSでの血管内評価を行う件数が増加しています。 また、急性心筋梗塞など自己の心臓だけでは生命維持が困難になった場合、医師とともに経皮的心肺補助装置(PCPS装置)や大動脈内バルーンパンピング装置(IABP装置)、体外式ペースメーカーの導入を行っています。
現在16床が稼働しており、導入期の患者さんや手術などで近隣医療機関から紹介を受けた患者さんへの透析を中心に行っています。また、隔離室を完備しており、結核やその他の感染症の患者さんへの透析も可能です。平成26年1月に装置の更新を行い、現在は最新の機種で治療を行っています。オンラインHDF施行可能な装置を7台設置し、厳密な水質管理のもと平成26年9月よりオンラインHDFでの治療を開始しています。血液透析の他にも血漿交換やLDL吸着、白血球吸着、腹水濾過濃縮再静注法など、すべての血液浄化に対応できるよう体制を整えています。透析室では医師、看護師と協力し、患者さんに安全で質の高い透析医療を提供できるよう、日々努力しています。