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がん総合診療部

がん総合診療部

あなたを支えます!心のこもったがん診療とケアで

がん患者さんに、低侵襲で精度の高い医療の提供を

高齢化社会を迎え、男性の2人に1人、女性の3人に1人が、生涯に“がん”に罹患するといわれています。このような状況の中、当院では神戸西地域をはじめとする周辺住民の皆様によりよいがん医療を受けていただくため、がん患者さん・ご家族が安心して療養できるがん診療連携体制を地域医療機関と一緒になって整備、構築することを目指しています。もともと当院は2011年6月から兵庫県指定がん診療連携拠点病院に認定されていましたが、多職種のスタッフの力を結集し当院のもつがん医療の専門性・特徴を最大限に活かすため、2013年3月にがん総合診療部を設立しました。そしてその実績により地域がん医療の中核的な役割を果たしていることが認められ、2015年4月に国指定地域がん診療連携拠点病院に認定され、現在に至っています。
がん総合診療部の体制としては、がん総合診療部運用委員会のもと、外来化学療法センター・化学療法委員会、緩和ケアチーム、キャンサーボードチーム、がん教育・研究チーム、がん相談支援センター、患者会チーム、クリニカルインディケータチーム、がんリハビリテーションチーム、広報チームといった様々なチームが、がん診療に必要不可欠な活動を多職種・多部門で協力し合いながら行っています。
当院では、がん患者さんに低侵襲で精度の高い医療を提供できるよう日々体制強化を図っております。診断部門では2018年2月にPET-CTを導入し、2021年に2台ずつあるCT・MRIのそれぞれ1台を新機種に更新しました。治療部門では、従来からロボット手術で導入しているダビンチを、2020年1月に最新機種ダビンチXiに更新しました。さらに2020年6月には放射線治療装置のリニアックを、より短時間で精密に治療可能な機器に更新いたしました。

よりよいがん診療を実現するため次の4項目の基本方針を掲げています。

  • 標準がん治療の遂行かつ高度先端がん治療の推進等を含むがん医療体制の整備・構築をはかる。
  • がん患者さん、ご家族の療養生活を支えるために院内完結型ではなく、地域完結型を目指したがん診療の連携、構築を図る。
  • がんの専門的な知識、技術を有する院内外の医療従事者を育成する。
  • 地域住民が自らがんについて知り、がん予防に必要な環境の整備・提供を行う。

  • ELNEC-Jコアカリキュラム研修会1

  • ELNEC-Jコアカリキュラム研修会2

  • 患者ライブラリー

  • がん相談支援センター

  • 第5回がん総合診療部院内向け教育講演

令和4年度の患者サロンについて

新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、昨年度(令和3年度)は患者サロンの開催を断念いたしました。患者サロンを楽しみにお待ち頂いていた皆さま、ご協力下さっている方々には、心よりお詫び申し上げます。

本年度は工夫を凝らして開催できないか検討中です。患者サロンの再開の折りには院内へのポスター掲示と当院のホームページでご案内させて頂きます。

がん総合診療部の組織と業務

国指定地域がん診療連携拠点病院として、神戸西地域を中心とした医療圏において、がん医療の中核的な役割を果たすため、がん総合診療部運用委員会のもと、9つの委員会やチームで活動を行っています。

今年度は担当副院長のもと、部長は免疫血液内科部長、副部長は呼吸器内科部長、放射線診断科部長、泌尿器科医長、地域医療課長(看護職)がつとめ、各チームの運営は、現場の状況を理解しているマネージャーが担います。

またがん総合診療部運用委員会にて、多職種・多部門のメンバーで調査・合議することで、がん診療の効率的な運用を図ります。

がん総合診療部運用委員会

消化器内科、呼吸器内科、免疫血液内科、緩和ケア内科、精神・神経科、外科・消化器外科、呼吸器外科、整形外科、脳神経外科、泌尿器科、乳腺外科、産婦人科、耳鼻いんこう科、形成外科、放射線治療科、放射線診断科、歯科口腔外科、看護部、薬剤部、臨床検査技術部、臨床工学室、放射線技術部、リハビリテーション技術部、栄養管理室、総務課、医事課、地域医療課。

実務的には下部部門として、2つの委員会および7チームを設け、各部門においてその目的に応じたがん診療の実際に携わります。また、PDCAサイクルの下に、がん治療の質、安全の向上に取り組んでいます。

1.外来化学療法センター・化学療法委員会

外来で化学療法を行う患者さんに対して、専門的で安全・安楽な治療を提供するために外来化学療法センターの運用に関して協議します。外来化学療法センターは専従の医師1名と7つの診療科の医師が兼任で当番体制をとり、看護師は常時5人で対応し、薬剤師が薬剤ミキシングを行っています。2014年4月から毎週木曜日に腫瘍内科外来を開設し、神戸大学腫瘍 血液内科の南博信教授に非常勤として外来を担当して頂いています。病院の増改築に伴い、2015年4月より外来化学療法センターは移転し、11床から20床に増床して運用しています。化学療法の実施件数も2015年度の5200件から2022年度は6955件と順調に増加しています。

2.緩和ケアチーム

がん患者さん、ご家族のQOLの維持、向上を目的とした質の高い緩和医療、ケアを提供します。チームは多職種のメンバーで構成され、入院患者さんへの介入の他、月曜日・水曜日の午前、火曜日・木曜日の午後に緩和ケア内科医による緩和ケア外来を、月曜日・水曜日・木曜日の午後・火曜日の午前に緩和ケアセンター専従看護師によるがん看護外来を開設しています。

3.キャンサーボードチーム

各種がん治療に対して専門的な知識、技術を有する複数の医師、メディカルスタッフによって診断や治療方針を検討し、患者さんにとって最善ながん治療の提案、提供を行います。2014年度から、原発不明がん、治療に難渋するがんに対するキャンサーボード形式を3方式(オープン待機的、オープン迅速、クローズド迅速)にまとめ、患者さんの状態や緊急度に応じて最適な方式を選択する運用としています。

4.がん教育・研究チーム

院内外の医療従事者に向けて、がんに関する教育、研究活動を行います。具体的には医師・看護師のみならずすべての医療職員に対する教育講演や、がん医療の専門職・指導者の育成プログラムの企画・運営、臨床研究を通じた新しいがん医療に関する知見開発の促進、がんに関する教育・研究の支援を行います。

5.がん相談支援センターチーム

がんに関する困りごと、気がかりなことがある方はどなたでもご利用いただけます。種々のがんの病態、標準治療などのがん診療に関する一般的な医療情報、患者さん、ご家族の療養上の相談、医療費について不安に思われている方の相談、介護保険などの社会保障制度に関する情報提供、就労に関する相談、緩和医療に関する相談など多岐にわたる相談をお受けしています。がん専門相談員が相談者のお話を伺い、気持ちにより添い、一緒に考え、必要な情報を提供致します。相談者の方が十分な情報を得て治療、生活について考えることが出来るように支援いたします。一人で悩まずご相談ください。

6.患者会チーム

患者会チームでは、患者サロン、クリスマスコンサートの開催、患者ライブラリーの運営、患者会、ピアサポーターとの連携を行っています。

患者サロンは、患者さん・ご家族などが集まり交流や情報交換ができる場として2ヶ月に1回開催しています。がん治療の副作用に対しての対処法や自分らしく生活するためのヒントとなることを専門家にお話いただいたり、参加者同士が語り合う場を設けています。なお、新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から、感染状況を踏まえて開催の可否を判断いたします。開催の場合あらかじめ病院広報誌、院内掲示などでお知らせいたします。事前予約は不要ですので体調に合わせてご参加ください。

患者ライブラリーでは、実用書、専門書を配置し、ゆっくりくつろいで本を読んでいただけるようにアメニティにも配慮しております。お気軽にお越し下さい。

7.クリニカルインディケータチーム

がん登録を行い、提供しているがん治療効果の分析、評価を行い、医療サービスの質の向上を図ります。がん登録を継続しながら、がん総合診療部活動成果も評価していきます。

がん登録により収集された情報は下記の目的に利用されます。

  • 法令に基づくもの
    • がん登録等の推進に関する法律に基づく、全国がん登録への情報提供
  • 国の機関等公共団体への協力
    • 国立研究開発法人 国立がん研究センターへの情報提供
  • 医療サービスや業務の維持・改善
    • がん患者さんの予後調査
    • 自施設のがん医療事態の把握
    • 診療活動の支援、研究、教育のための資料提供
    • がんに関する医療活動の評価(統計)の資料作成
    • 患者さんへの情報公開の基礎資料

上記のうち、法令に基づくもの以外について、同意しがたい場合は、下記までにご連絡下さい。

同意されないことで、患者さんに不利益が生じることはございません。

お申し出がないものについては、同意していただいたものとして取り扱わせていただきます。

神戸市立西神戸医療センター

がん総合診療部 クリニカルインディケータチーム

〒651-2273 神戸市西区糀台5−7−1  電話 078-997-2200(代表)

8.がんリハビリチーム

がん患者さん、ご家族の要望を把握した上で、その時期にできる最高のADL(日常生活動作)を実現し、QOLが維持、向上できるよう取り組んでいきます。がんリハビリテーション研修を修了した医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が中心になり、患者さんの状態に応じて予防的、回復的、維持的、緩和的なお手伝いをしていきます。

9.広報チーム

院内外の医療従事者、医療機関、がん患者さんとそのご家族、地域住民の皆様に対して、当院のがん診療の状況について情報を提供します。院外に向けては当院ホームページ、“れんけい”・“そよかぜ”などの病院広報誌、そして院内に向けては“がん総合診療部だより”にその内容を掲載します。

今後の展望

当院は開院以来、診療科・職種間の垣根が低く、横の連携に強いチーム医療を標榜してきました。そしてがん診療に関しても様々な職種からなる「がん総合診療部」が中心となっていろいろな課題に取り組み、体制強化を図ってきました。具体的には、化学療法センターや緩和ケアチーム活動の充実、がん相談支援センターの設置、緩和ケア内科・腫瘍内科の開設、がん診療に関連する専門職の資格取得や養成、各種研修会の開催、PET-CTをはじめとする画像診断機器の導入や最新機種への更新、ロボット手術装置ダビンチや放射線治療装置リニアックといったがん治療に欠かせない治療機器の導入と最新機種への更新などです。そして2021年度に、さらにきめ細やかな緩和ケア診療を包括的に行えるよう、緩和ケアチームを拡充させ、緩和ケアセンターを設立しました。

今後も

“あなたを支えます!心のこもったがん診療とケアで”
-がん患者さんに、低侵襲で精度の高い医療の提供を-

をスローガンに、国指定がん診療連携拠点病院としての使命を果たすため、今後も西神戸医療センターのがん診療の質を一層高めていく所存ですので、地域の住民、医療機関の皆様のご支援をお願い申し上げます。

第25回 がん市民フォーラム in KOBE テーマ:肺がん治療は終了いたしました。 たくさんのご参加をいただきまして、ありがとうございました。

化学療法センター

診療・業務内容など

外来化学療法センターは平成27年4月、現在の消化器内視鏡センターから現所へ10床から20床へ増床拡張リニューアルオープンしました。
また同じ3階のフロアにがん関連の診療科外来(腫瘍内科・緩和ケア内科)、薬剤師外来、がん看護外来(リンパ浮腫外来含む)、がん相談支援センターも併設され、当院のがん患者さんのニーズに応えうる体制が整いました。
外来化学療法件数は初年度の5,884件から令和4年度はコロナ禍にも関わらず7,335件と増加しています。1日の件数は30件前後で前年度より約1.5件のプラスで、今後も外来での化学療法件数は益々増加することが予想されます。受け入れ時間は9時~17時が原則ですが、令和3年度より午後の予約枠拡大目的で水曜は18時まで受け入れ可能としています。
件数の増加のみならずスタンダードかつ安全な医療を提供するために外来化学療法センターには薬剤師1人、看護師7~8人が常駐し患者さんに対応しています。医師に関しましてはオンコール体制で抗がん剤投与中の副作用等何か問題があれば迅速に診察、必要な検査・処置を行っています。
一方で近年使用頻度が増した、免疫チェックポイント阻害剤等の新規薬剤の副作用に対しては関連する診療科を中心にマニュアル作成・院内勉強会を開催し安全な外来化学療法を行えるようにスタッフのレベルアップを図っています。
また当院は、平成27年4月1日付けで国指定がん拠点病院の承認をいただきました。令和5年4月には2回目の更新を終えています。その名に恥じぬよう、地域の先生方からご紹介された全てのがん患者さんが、安全に治療を受けていただける外来化学療法センターをスタッフ一同で作り上げていく所存です。
今後ともご指導の程よろしくお願いいたします。

化学療法センター長
新里 偉咲

受診について

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